2026年2月8日投開票の衆院選では、各政党が「消費税減税」を重要な政策として掲げている。上がり続ける物価の中で、私たちの日常生活に大きく関わるこの争点について、各党の公約内容と現場の声を通して考えてみる。
各党の消費税減税公約—それぞれの違いは
消費税減税について、主要政党はそれぞれ異なるアプローチを示している。自民党は「飲食料品2年間に限りゼロ(検討の加速)」、日本維新の会も「食料品2年間ゼロ」としている。一方、中道改革連合は「今年秋から食料品ずっとゼロ」と期限を設けていない。
より踏み込んだ提案も目立つ。国民民主党は「一律5%」への引き下げ、共産党は「廃止目指しただちに5%に」、参政党とれいわ新選組は「廃止」、社民党は「消費税ゼロ」を掲げている。

県民の声「本当にできるのかな?」
こうした公約に対し、県民からは「消費税高いですよね。結構苦しいですよね、生活が。2年間限定でも助かるっていえば助かるのかな」という期待の声がある一方で、「『本当にできるのかな?』っていうのが不安」という懸念も聞かれる。
専門家が指摘する減税のプラスとマイナス
鹿児島の経済に詳しい九州経済研究所の福留一郎経済調査部長は、消費税減税について両面から分析する。
プラス面としては「この物価高、特に食料品」対策になるとし、消費増加による企業の売上向上につながる可能性を指摘する。鹿児島市の消費者物価指数を見ると、2016年から2022年前半までのデフレから一転、コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻を契機に物価が急上昇し、高止まりしている状況がうかがえる。

一方でデメリットも指摘する。「食料品の軽減税率(8%)をゼロにすると、年間5兆円くらい減る。消費税を5%一律にするにしても15兆円、消費税全体をなくすと年間32兆円税収が減る」と具体的な数字を挙げ、「今、消費税は社会保障、医療、介護、年金、こういったものの財源になっている。そこがちゃんと手当てできないと、私たちの将来がますます不安になってくる」と警鐘を鳴らす。
小売店「またプライスカードの張り替え大変だな」
鹿児島県内でスーパー4店舗を展開する「フレッシュフィールドなりざわ」の成沢洋社長は、税率変更に伴う実務的な課題を指摘する。「いろいろ作業が発生しますし、それにあわせて経費も発生しますので、『ちょっとまた大変だな』って気持ちがあります」と本音を語る。
特に影響が大きいのが「プライスカード」の張り替えとレジや計量器のプログラム変更だ。新500円玉発行時には機械1台あたり10万円の経費がかかったと語る。

それでも成沢社長は、「減税になった瞬間に売り出しをかけたり、そういった形をとってお客様が浮いた分で私どものお店で買い物してもらえるような工夫はしていきたい」と前向きな姿勢を見せる。
飲食店の懸念「外食控えが起きないか」
鹿児島市天文館で飲食店「焼酎とおでん りんご」を営む若山加奈さんは、「今回の解散からの選挙についてはスピード感がありすぎて、ひたすら情報を得ることしかできない」と戸惑いを隠さない。
消費税減税については「お客様が(10%の)消費税を払ってまで外食を楽しみたい、引き続きという方が変わらずいてくれるのかなっていう不安はあります」と述べ、食料品のみが減税対象となった場合の外食控えを懸念している。

有権者にも「責任」ある投票を
九州経済研究所の福留部長は「消費税は大事な税ですから、各党、あるいは立候補者の主張なりを有権者の方からも正す、あるべき姿に持って行くような、有権者も責任を持って投票して欲しい」と訴える。
私たちの生活に直結する消費税。各政党の公約を丁寧に吟味し、自分の一票の重みを考えることが求められている。
(動画で見る▶消費税“減税”であなたの家計はどう変わる? 各党の公約と現場の声)
