裁判所「常軌を逸した走行」
横浜地裁は判決で、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」について、「速度が速すぎるため、道路の状況に応じて進行させることが困難な速度」と定義。
本件の時速200キロ~268キロという速度について、「超高速度であり、常識的にみて、ハンドルやブレーキの操作のわずかなミスによって、自車を進路から逸脱させる危険性を有する速度」と断じた。
その上で、現場の状況について、「片側3車線の自動車専用道路であるから、走行車両が適宜車線変更するのは当然に予定されている」とし、「安全な車線変更等をすることが困難なほどの高速度で自動車を走行させることは、もはや道路の状況に応じた走行とは言えない」と断じ、危険運転致罪を構成する「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」に該当すると判断した。
自己中心的な運転態度
次に判決は量刑について検討した。
まず200~268キロという速度については、「常軌を逸した超高速度」として「悪質極まりない」と厳しく非難した。
亡くなった2人については、「全く落ち度のない被害者両名が受けた肉体的苦痛や無念さは計り知れず、遺族らが受けた精神的苦痛も大きい」と寄り添い、「被害結果は極めて重大」と指摘。
彦田被告については、「自己の運転技術を過信し、高速度運転の危険性に対する意識が低下していたものと認められ、その自己中心的な運転態度は厳しい非難を免れない」とした。
その上で、「速度は類を見ない高速度であって、相当重い部類に位置づけられる」とし、「被告人は十分に反省しているとは評価できない」としながらも、被害者や遺族に謝罪していること、二度と運転しないと約束していること、任意保険により損害が賠償済みであることなどから、懲役12年を言い渡した。
