女性なら必ず経験する「更年期」。閉経の前後約5年ずつの10年ほどが更年期とされ、女性ホルモンの低下により様々な不調が現れることがあります。47歳で更年期障害の症状が現れ始めたファイナンシャルプランナーの高山一恵さんは、「女性は更年期を見据えてライフプランを考えてほしい」と言います。高山さんご自身の経験とお金のプロの視点から、更年期のリアルと対策について、連載でお届けします。(第3回)
文=高山一恵
第1回から読む→「就寝中も襲ってくるホットフラッシュにメンタルもダウン…47歳で更年期障害になったFPが全女性に伝えたいお金と働き方の話」
これまでの連載で私の体験を交えながら更年期の症状や治療法についてお話ししてきましたが、更年期の症状は本当に人それぞれです。中には、更年期の症状が重く、会社をしばらく休職して治療に専念したいという方も少なくないのではないでしょうか。
そこで、今回は、更年期で会社を休職した場合や働き方を変えたい場合に利用できる制度についてお話しします。
「傷病手当金」の仕組み
更年期の症状が重く、本音では会社を休職したいと思っていても、経済的な心配などからなかなか決断できないという方は少なくないのではないでしょうか。
会社員や公務員の方は、健康保険に加入していると思いますが、健康保険に加入している被保険者が業務外の病気やケガで働けなくなった場合には「傷病手当金」が支給されます。
傷病手当金の支給額は「支給開始日以前12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」で計算されます。
注意したいのは、連続する3日間を含む4日以上仕事に就けなかった場合に支給されること。この待機期間をきちんと3日間とっていないと支給されません。この支給されない3日間は、年次有給休暇があれば、利用すると良いでしょう。支給期間は同一の病気やケガについて支給を開始した日から通算1年6カ月です。
いくらもらえる?注意点も
更年期の症状が辛く医療機関を受診した場合で、医師が「この状態では仕事をすることができない」と判断した場合には傷病手当金が支給されます。
例えば、標準報酬月額が30万円の人が30日間分の傷病手当金を受け取る場合、
・日額:30万円÷30日×2/3=6666円
・月額:6666円×30日=19万9980円
となります。
傷病手当金には税金がかからないため、まるまる19万9980円が振り込まれますが、会社に在籍している間は、健康保険料や厚生年金保険料の支払の義務があります。支払い方法は様々ですが、会社に立て替えておいてもらい、復職した時に一度に支払うケースが多いようです。
とはいえ、更年期で会社を休んだ場合でも医師の診断があれば傷病手当金がもらえるのは休職後の生活を考える上で心強いでしょう。
独自の制度を設ける企業も
現在、法律で「更年期休暇」の設置は義務付けられていませんが、更年期の症状で心身の不調をきたし業務が困難な場合に取得できる「特別な休暇制度」の創設を後押ししようと、厚生労働省が同省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」内に更年期休暇の項目を設けて企業に向けて情報発信する動きが強化されています。
