30代男性:
絶望とか怒り、失望。そういうような感情が本当に心の中にありますね。
『サン!シャイン』の取材に怒りの声を上げたのは、埼玉県内に住む30代の男性です。男性は2025年2月、宮城県内の中古車販売店で30年前のトヨタ「ランドクルーザー」を契約。性能の高さや、頑丈なフォルム、自分好みにカスタマイズできる点など、世界で累計販売台数が1000万台を超える人気車種です。

30代男性:
一番老舗で実績もあったところなので、その実績を信頼して注文しようと決めました。

購入費用は、本体にカスタム代金などを加えて、約480万円。男性は店側から前払いを求められ、ローンを組んで全額を支払ったといいます。
しかし、1月に入って突然、店が事業を停止。店側と連絡がとれなくなってしまったのです。
納車されず、ローンだけが残る事態に…。一体、何があったのでしょうか。
納車予定の車確認も…「頭が真っ白に」
――全額前払いに疑問はあった?
30代の男性:
正直ありました。
当初は2025年のうちに納車される予定で、12月に店を訪れた時には実際に契約した車も確認したという男性。

30代の男性:
整備の方がいらっしゃって車を案内してくれて、「あと最終整備の段階ですよ」と。
しかし、納車予定が2026年にずれ込み、1月5日付で店は突如、事業を停止。破産申請へ向けた準備を始めたことを知りました。

30代の男性:
(販売店側に)急にアクセスできなくなりまして、倒産の事実が分かった。
頭真っ白になりましたよね。本当にこんなことあるのか、現実なのか、みたいな。
店側の代理人弁護士に問い合わせしたところ、「返金も納車もできない」と言われたといいます。

30代の男性:
相当怒りましたね。「はらわたが煮えくり返る」とはこういうことだなと。
男性はネット上で「被害者の会」を設立。すると…。
30代の男性:
67名の方が被害状況のフォームを入力していて、集計している金額が2億6000万円を超えてるんです。
一体、何が起きているのか?
1月22日、『サン!シャイン』取材班は宮城県にある販売店へ向かいました。
従業員も即日解雇
取材スタッフ:
こちらが会社の建物なのですが、従業員の方がいらっしゃる様子はありません。

店の様子について、周辺の住民に話を聞きました。

販売店の周辺住民:(去年の)夏ごろから車は少なくなりましたよ。聞いたら「車が入ってこなくて仕事にならないんだ」と従業員から聞いてたんですけど…。

元従業員に話を聞くと、「働いていた従業員も即日解雇だったので、非常に困惑している」とのこと。
販売店の債務整理を担当している弁護士は『サン!シャイン』の取材に対し、このようにコメントしています。

〈販売店の弁護士〉
「店側は納車が困難なのに注文を受けていたわけではないが、ご迷惑をおかけしたのは間違いない。購入者に対しては今後、裁判所が選ぶ破産管財人の連絡を待っていただきたい」
30代の男性:
「真実が知りたい」というのが一番でして。どういう経緯で倒産に至ってしまったのか、事情の説明はしていただきたい。
専門家「納車される可能性は難しい」
では、このようなトラブルを回避するにはどうすればいいのでしょうか?破産を含む民事事件を多く扱う、大達 一賢弁護士に解説していただきました。

――今回のケースで納車される可能性はあるのでしょうか?
大達一賢弁護士:
こういった事案でよくあるパターンとしては、そもそも破産会社がそのもの自体を売却して、お金に変えて資金繰りに当ててしまっているというようなことが考えられるので、現物がない場合にはまず現実的には納車されません。かつ、現物があったとしても今後破産手続きに入るにあたって、その現物が破産管財人の管理のもとに移行して、破産管財人がそれらをお金に変えてそのお金で配当するという形を取るので、中古車販売店の所有物として扱われる以上は現実的に納車される可能性はなかなか難しいと言わざるを得ないです。

ただ、この事案における特殊性かなと思うところの一つに、カスタムをやられていた会社だということで、例えばこの自動車において購入者の意向に沿ったカスタムがされている場合、売却される先というのは限定的になると思うんですね。破産管財人がついた後に、その自動車をお金に変える一環として元の購入者に対して「買わないか?」ということの打診があるという可能性はあります。その場合には追加でお金を払って買い取るということになってしまいます。
前払い金の返金は?
大達弁護士によると、事業停止の場合、弁護士に相談し返還請求をすれば、会社の財務状況次第で前払い金が返ってくる可能性もあるといいます。

しかし、一般的に倒産した場合の返金の順は…
①税金・年金・社会保険料
②従業員の人件費
③破産手続きの費用
④債権者への返金
債権者への全額返金は難しい形になります。
――今回のケースの返金の可能性は?
大達一賢弁護士:
もちろん破産会社の財務状況を見てみないとわからない部分はあるんですが、破産一般論として、資金繰りがうまくいかなくなったからこそ破産申立てに至っているわけなので、税金・社会保険料、従業員の人件費等をお支払いした後に一般債権者さんたちに配当するお金が残っているケースは極めてまれと考えていただいたほうがいいかなと。
トラブルを回避するには?
・販売店が支払いを一括前払いにこだわる場合は慎重に
→資金繰りに困っている可能性がある。
・契約した段階で名義を購入者のものに変更
→車が購入者の財産となり、破産手続きの配当対象外に

大達一賢弁護士:
前払いをするというのがある程度避けられない流れだったとしても、例えば、(車の)引き渡し期日のだいぶ先に執拗に全額前払いを求められるであるとか、車の「ものを見せてほしい」とか「整備状況を教えてほしい」って言ってるにもかかわらず、そこを濁すとか、そういう怪しいような会社さんがあった場合には、そういうところからの購入は避けた方が無難かなと思います。
あと、ネット上で「ここの会社にお金を払ったけど納車されない」とかそういう噂が落ちている場合もあったりはすると思うので、そういうものを見かけた場合に合理的な説明が得られないような場合には避けた方が無難かもしれないです。頭金ないしは手付金をお支払いして、その間に整備状況なんかを逐一報告してくれるようなところであれば多少は安心できるのではないのかなと思います。
少しでも不安に思ったら…
消費者ホットライン「188(いやや!)」に相談してください。
(「サン!シャイン」1月23日放送より)
