アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が激化する中、ハメネイ師の次男・モジタバ師が後継者として選出されたことで、「これまでと体制が変わらない」という見方が強まり、長期化・泥沼化のおそれが高まっている。
さらに、原油の輸出ルートであるホルムズ海峡の封鎖が続いていることで、原油の安定供給への懸念が強まっている。
トランプ大統領は、ホルムズ海峡について、アメリカ軍の艦艇を配置し「安全な状態が維持される」と主張。原油の供給を安定させる考えを示した。
10日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」には、自衛官として中東への派遣経験があり、外務副大臣、防衛政務官などを歴任してきた、「ヒゲの隊長」こと佐藤正久前参議院議員が出演。
ホルムズ海峡のタンカーについて「すべてを守るのは困難」として”ガソリン価格の値上げは必至”だと話した。
■”ホルムズ海峡封鎖”は他人事ではない
日本が輸入する原油の”8割”がホルムズ海峡を経由している。海峡封鎖の影響は日本にも及び始めていて、政府は国内の石油備蓄基地に放出準備を指示した。
原油価格が上がると、日本のガソリン価格にも影響が出てくる。
野村総合研究所エコノミストの木内登英氏の試算によると、原油輸送の支障が長期化した場合は、レギュラー204円/L、ホルムズ海峡が完全封鎖された最悪の場合は328円/Lに跳ね上がるということだ。

■ホルムズ海峡のタンカー「すべて守るのは困難」と佐藤氏
佐藤氏は、アメリカが艦艇を配置したとしても、ホルムズ海峡のタンカーを「すべて守るのは困難」と話す。
佐藤正久氏:ホルムズ海峡には私もオマーン海軍の船で行ったことありますけども、幅は約33キロ、東京駅から横浜駅ぐらいでの距離があり結構広いんですよ。
その中で、タンカーが通れるのはわずか6キロなので、非常に守りにくいという特性があります。しかもタンカーは、300メートルを超えるものが何百隻と通る。
それを駆逐艦のような、百数十メートルのもので守ろうと思ってもなかなか難しい。
特に『海の暴走族』と言われるような、爆弾を積んだ小型ボートやドローンが群れで攻撃してくれば、小回りのきかない駆逐艦では無理。口で言うのは簡単ですけども実態は難しい。

■「我々の財布とホルムズ海峡は繋がっている」と佐藤氏
ホルムズ海峡封鎖の影響はすでに日本にも。
日本には民間運営の基地も合わせると254日分の石油備蓄がありますが、関係者によると、政府は石油備蓄基地に放出準備を指示したということだ。
佐藤正久氏:備蓄はただの緊急避難措置なので、大事なのは『物流の流れを止めない』こと。早く終わらなければ、どこかから持ってこないといけない。そうなると調達競争が始まる。
我々の財布とホルムズ海峡は繋がっています。封鎖されれば、ガソリンの価格も上がる。当然、卵や牛乳の値段も上がりますから(輸送費や生産コスト増)、そういう状況において我々は安定化を図るのは政治の出番が非常に大きい。

■原油高騰はトランプ大統領への”1番の嫌がらせ”?
原油高騰の状況は、ことし11月に実施されるアメリカ「中間選挙」にも影響を及ぼしかねないと佐藤氏は主張する。
佐藤正久氏:車社会のアメリカにとって、ガソリン価格が上がるのは、中間選挙に大打撃になります。
トランプ大統領の一番の関心事項は中間選挙、仮に下院の方で負ければ3度目の弾劾。トランプ大統領にとっては、『(自分が)偉大な大統領だ』と言ってるのに、3回も弾劾されたら恥ですから、何としても中間選挙に勝ちたい。
イランはそれを知っていて、石油を武器化している。長期戦じゃないと中間選挙まで影響が出ません。
こうした背景から、トランプ大統領は原油価格の高騰を防ぐために、9日に「『軍事作戦を近いうちに終結する』と発言したのではないか」と佐藤氏は指摘した。

■高市総理は「電気・ガス料金」への対策強調も…
原油価格が高騰することで、電気・ガス料金も上がってしまうのか。
高市総理は9日、衆議院予算委員会で「ガソリン・軽油・そして電気料金・ガス料金なども含めて、これからの見通し、政府として即座に打つべき対策について、先週の前半から検討に入っている」と説明し、「遅すぎることなく対策を打たせていただく」と強調している。
この混乱の状況はいつまで続いていくのか。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年3月10日)

