アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が始まって9日。
攻撃対象がインフラ施設に拡大する一方で、イラン革命防衛隊もイスラエルに報復攻撃。徹底抗戦の構えを見せています。
また、イスラエル軍が隣国レバノンを攻撃するなど、中東情勢は緊迫の度合いを増しています。
こうした中、焦点となっているのは、殺害されたイランの最高指導者・ハメネイ師の後継者選びです。

トランプ大統領は「我々は戦争に導かないイランの指導者を選ぶ必要がある」と発言。
そして、9日朝、海外メディアで、ハメネイ師の次男・モジタバ師が最高指導者に選出されたことが一斉に報じられました。
事態の早期終結につながる可能性はあるのでしょうか?
ハメネイ師の後継者
アメリカ「ニューヨーク・タイムズ」紙によると、モジタバ師は最高指導者の資格を満たす宗教上の階位「アヤトラ」を持っており、過去にイラン革命防衛隊に所属していた人物。

モジタバ師の選出について、『サン!シャイン』は、中東情勢に詳しい放送大学・名誉教授、高橋和夫氏に聞きました。

放送大学 名誉教授 高橋和夫氏:
負傷説とか死亡説があったんですね。で、健在であるということが分かった。亡くなったハメネイ最高指導者は「自分の息子はよせ」と。「王政になっちゃうから」という言い方をしていたようですけれど、周りがハメネイさんの息子を選ぶことで、アメリカに対して「我々はブレてないぞ」という強いメッセージを送りたいという決断だったと思います。
この方は革命防衛隊の支持が厚いんです。それもあってこの人になったと。
――イラン側からすると体制は変えないというメッセージでしょうか?
投票の結果は詳しくは発表されていませんけれど、満票ではなかったということは、違う人に集まった票もあったということだと思います。
――トランプ大統領はこの人選どう見ると感じていますか?
「俺の言うこと聞かないな」と。当然ですけどね。ある意味トランプさんが「お前を支持するぞ」と言ったら、その人はイランでは支持が集まらないですよね。
戦闘のさらなる長期化
トランプ大統領は6日、自身のSNSで「イランとの合意は無条件降伏以外にあり得ない」と発言。
それに対し、イランのペゼシュキアン大統領は7日、「敵(アメリカ)はイラン国民の無条件降伏の夢を墓場まで持っていくだろう」と真っ向から対立の姿勢です。

「無条件降伏」とは何なのか?明海大学の小谷哲男教授によると、イランに提示されうる条件は…
①核開発の放棄
②石油利権の譲渡
③ホルムズ海峡の安全な航行

――ただ、イラン側は現状、受け入れる状況ではないということですね?
放送大学 名誉教授 高橋和夫氏:
そうなんです。今の指導層というのは革命を起こした人たちですよね。なんで革命を起こしたかというと、前の王様がもうアメリカの言いなりだという認識で。ですから、今の革命体制のアイデンティティというのは「アメリカの言うことを聞かない、独立自主でいく」というのが方針で、そのためにみんな命を懸けて戦ってきたんですよ。それがこの場に及んで「そうですよね、アメリカの言うこと聞きます」と言ったんじゃ、体制そのものが何のためにあったのかという自己否定になりますから、とても受け入れがたい要求だと思います。

高橋氏は、今後のイラン情勢をめぐって、戦闘のさらなる長期化の可能性もあるとみているといいます。
放送大学 名誉教授 高橋和夫氏:
イラン側としては降りられないですよね。トランプさんも無条件降伏なんて言っちゃったら、向こうが受け入れられないですから降りられないですよね。だから、しばらくは続くしかないシナリオですよね。どう見ても。
(『サン!シャイン』3月9日放送より)
