2026年4月、離婚後の子どもの養育費に関する新たな制度「法定養育費」が施行される。夫婦間の取り決めがない場合でも、子どもの教育などに必要な養育費を離婚後子どもを見ている親がもう一人の親から子ども1人当たり月2万円を受け取ることができるものだ。新制度は養育費確保の第一歩となるが、その実効性と妥当性には課題が残る。
2児を育てる女性の現状
離婚後の子どもの養育費について考える。宮崎市に住む30代の女性に話を聞いた。

女性は約4年前に結婚し、2人の子どもをもうけたが、昨年9月に離婚。営業の仕事などをしながら、3歳と1歳の子どもを1人で育てている。
女性は、元夫の借金や育児への非協力が離婚の経緯だと明かした。調停離婚で養育費の取り決めを行い、子ども1人当たり月2万3千円を受け取っているが、現在の生活費からすると「全然足りていない」という。
新制度の概要
これまでの民法では、どんな仕組みになっていたのか。

養育費の請求には夫婦間の協議や家庭裁判所での手続きなどが必要だった。このため、取り決めをせずに離婚した場合、養育費を受け取ることができなかった。女性も、「相手が出廷しなかったり、早く終わると思ったが半年ぐらいかかった」と話す。

2026年4月には民法が改正され、法定養育費が導入される。この制度はどのようなものなのだろうか。

弁護士法人きさらぎの高山桂代表弁護士は、「2026年4月1日から施行される法定養育費は、子ども1人に対し月2万円の養育費が夫婦間の合意がなくとも法律上当然に発生すると定めた新制度」だと説明する。
月2万円は妥当か 専門家の見解
しかし、この女性は月2万円という金額について「安すぎる」と指摘する。

離婚後、2児を育てる女性:
2万円ではすごく厳しいと思う。子供たちの食費、おむつ代、ミルク代。ミルク代は一缶3千円ぐらいする。特に今は物価高騰もあるので。私の周りもシングルマザーが多いが、何でこんなことを国は決めたんだろう?という話になっている。

月2万円の法定養育費は、養育費の額が決まるまでの暫定的、補充的なものだ。
弁護士法人きさらぎ 高山桂代表弁護士:
子どもが中学生や高校生になると養育費も増大するため、2万円では到底足りない。裁判所に調停を申し立てるなど、そうした手続きをすることで養育費の増額を図ることは当然可能。2万円をまるで固定額かのようにとらえるのは大いなる勘違い。
子どもの将来のための養育費
離婚前に養育費の取り決めを行うことは、子どもの将来を考えた場合、必要不可欠だ。

高山弁護士は、「養育費は、かなうならば離婚前に夫婦間でしっかり話し合って決めていただきたいが、それが難しい場合でも、法定養育費の1人2万円は最低限支払うべき金額なんだということを理解していただきたい。DVなどによる離婚でも泣き寝入りすることなく、後から請求できるこの制度は画期的」と話す。
離婚後、2児を育てる女性:
(養育費について調べたところ)子供の利益のためと書いてあった。それは、凄く抽象的。本当にそれが子供たちのためになるのか。1つのくくりにするのではなくて、いろんな方に合わせたケースバイケースの条例など、国が柔軟に対応できるシステムが必要なんじゃないかとすごく思う。
子どもの将来を左右しかねない養育費。新たな制度の浸透に加えて、養育に必要な金額の妥当性など課題は残る。
(テレビ宮崎)