宮島と本土を結ぶJR西日本宮島フェリーの「みせん丸」が生まれ変わる。
就航から約30年が経った現在の船に代わり、3月19日に新しい「みせん丸」がデビュー。あえて定員を減らし、これまでより“ゆったり”した船内に迫る。
「みせん丸」約30年ぶり世代交代
宮島口桟橋に、2隻のフェリーが停泊していた。
長年航路を支えてきた「みせん丸」と、まもなくデビューする新しい「みせん丸」だ。新旧のフェリーが並ぶ光景は、世代交代の瞬間を感じさせる。
辰已麗アナウンサーが、白と赤を基調にした真新しい船体を見上げた。
「ひと回り大きな船で迫力があります!」
全長約37m、幅は約10.5m、わずかに大きくなった。
現在の船は就航から約30年が経ち、老朽化やバリアフリーへの対応が課題となっていた。
客室に“しゃもじ”の遊び心
船内2階の客室に入ると、宮島を思わせる空間が広がる。
「おお~、和モダンな落ち着いた雰囲気ですね。茶色をベースにしていて、照明もレトロな感じです」
辰已アナが視線を向けたのは、座席の背もたれ。
そこには宮島の名物でもある「しゃもじ」の模様があしらわれていた。
「椅子の裏側を見てください。しゃもじの柄なんです。細かいデザインがかわいいですね」
木目調の内装と温かな照明が調和し、世界遺産の島・宮島へ向かう旅の期待を高めている。
誰もが使いやすい船へ
新しい「みせん丸」の大きな特徴の一つがバリアフリーだ。
1階にはこれまでの船にはなかったバリアフリー対応の客室が設けられ、出入り口も手動から自動ドアへ変更された。
「誰もが使いやすい船になっています」
さらに3階のオープンデッキには、JRの駅名標を思わせるデザインも取り入れられている。鉄道会社らしい遊び心を感じさせ、観光客の新たな撮影スポットになりそうだ。

JR西日本宮島フェリーの酒井稔社長はこう話す。
「鉄道で宮島口まで来た人が、そのまま鉄道の延長のような感覚で乗れる船になった。島に渡ることはもちろんですが、船に乗ること自体も旅の喜びの一つにしていただければと思います」
定員を約100人減らし“ゆったり”と
船の性能も進化した。
燃料の高騰に対応する低燃費設計を採用し、振動や騒音を抑える装置を導入。乗り心地も向上したという。
船体はわずかに大きくなったが、旅客定員はあえて減らした。現在の「みせん丸」の定員約800人に対し、新しい船は約700人。混雑を避け、船内でゆったり過ごしてもらいたいねらいがある。
宮島の入島者数は2025年、過去最高を更新した。航路の利用もますます伸びていくとみられる。訪れる人にとって、新しいフェリーは宮島観光の最初の楽しみになりそうだ。
(テレビ新広島)
