「カキーン、カキーン」。照明に照らされたバッティングセンターで汗を流す子どもたちの姿がある。奄美大島で唯一のバッティングセンター「しまかわ」だ。しかし、この島の野球の聖地ともいえる施設が今、存続の危機に瀕している。

40年間、島の野球少年たちを支え続けた施設

「学校で打ち切れなかった分、足りない分、ここで打っている」「みんなで打ったり、楽しんだり、指導してくれたりするので楽しく練習できる」と語るのは、ここで汗を流す小学生たち。高校生は「ここで自分に足りない分を補って、甲子園に行けるように頑張りたい」と目を輝かせる。

40年の歴史がピンチに
40年の歴史がピンチに
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このバッティングセンターは、スポーツショップを経営する島川勝博さんが約40年前にオープン。当時は野球が盛んで「グラウンドに10チーム以上がひしめき合って、思い切り野球ができていないと思い、バッティングセンターをつくった」と島川さんは開業の経緯を語る。

オープン当初は休みなく稼働し、休日には順番待ちの列ができるほどの人気ぶりだった。これまでに甲子園出場を果たした大島高校野球部のメンバーや、プロ野球選手になった人材もここで技を磨いてきた歴史がある。

ここで甲子園球児やプロ野球選手が育った 
ここで甲子園球児やプロ野球選手が育った 

深刻化する経営難と老朽化

しかし現在、利用者数はオープン当初の約3分の1にまで減少。島川社長は「子どもの数も少ない。少子化もあるし、スポーツの多様化、サッカーやバスケットボールなどで野球人口が減ったと感じる」と状況を分析する。

利用料金はこの40年間、1回200円と据え置いてきたが、経営は年々厳しくなっていると言う。さらに施設の老朽化も深刻な問題となっている。

島川ひとみさんは「これは(球速)100キロ、120キロ、140キロ出るが今はもう120キロしか使えない状態。塩害でさびてしまって。何とかギリギリ稼働しています」と説明。「(創業)40年でマシン室の鉄骨やマシン室が老朽化し、お客さまに迷惑をかけることが多くなった」と施設の現状を語る。

老朽化で存続の岐路に立っている
老朽化で存続の岐路に立っている

存続へ向けた取り組み

危機を乗り越えるため、島川さんたちは複数の対策を打ち出した。まず、施設内にあったスポーツショップを2025年12月末で閉店。さらに2026年1月からは料金を1回300円に値上げした。

そして最後の切り札として、クラウドファンディングの実施に踏み切った。目標金額は2500万円。集まった支援金はバッティングマシンの入れ替えや、硬式練習場の修繕費などに充てる計画だ。

「野球を本当に好きな子がこの場所を利用して少しでも上達して、甲子園を、プロ野球選手を目指してもらえたら」と島川社長は願いを語る。

島川勝博社長
島川勝博社長

子どもたちの夢を叶えるための場所を残したい—。クラウドファンディングは2026年1月25日までとなっている。

(動画で見る▶鹿児島・奄美大島唯一のバッティングセンター 存続の危機 甲子園球児や野球少年も利用)

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鹿児島テレビ
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