妻の連れ子に対して無理やり性交した強制性交等の罪に問われている男の裁判で、検察は懲役7年を求刑した。一方で弁護側は懲役5年が妥当と主張している。

身勝手な犯行理由

強制性交等罪で起訴されているのは静岡県中部地区に住む無職の男(2025年10月22日の逮捕当時59歳)で、2018年8月頃から10月頃までの間、自宅で妻の連れ子である養女(当時12歳)と無理やり性交した罪に問われている。

1月19日の公判では、まず被告人質問が行われ、男は養女に恋愛感情を抱くようになったきっかけについて、「妻が育児ノイローゼのようになり、自分に対する風当たりも強くなって喧嘩も増えていった。そんな中で養女がやさしく接してくれた。そういうことが度重なり、娘というよりひとりの女性として意識した」と明かした上で、養女に対して「かわいいね。好きだよ。養女にとって特別な記憶に残る人になりたいと伝えた」と述べた。

一方で、「肉体関係を持ちたいと伝えたのか?」という質問には「露骨な言い方はしていない」と主張している。

静岡地裁
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長期間にわたる性的虐待

前回の初公判で、養女に対する性的虐待が上記の起訴内容以降2025年に至るまで続き、男が取り調べ段階で養女と数十回以上も肉体関係を持ったと認めていたことが検察側によって明らかにされていることから、弁護側が妻に2人の関係を怪しまれることはなかったのか問うと、男は「(妻が)養女を叱っている時に『あなたたち距離が近いんじゃないの?』と言っていて、その後、自分にも『あなたたちってどういう関係なの?付き合っているの?』と聞いてきたことはあった」と回答した。

性交同意年齢については「(当時の法律で)具体的に13歳という年齢は知らなかったが、幼い子とそういうことはよくないとわかっていた」といい、養女に対しても「よくないと思っていた」と振り返りつつ、「両想いだったから良いと思ってしまった」と話している。

ただ、検察側が「ロリコンなのか?」と尋ねると、男は「いえ、そういうことではない」と語気を強めて否定。

養女に対してのみ恋愛感情を抱いていたことを繰り返し強調し、肉体関係を持つことへのためらいについても「いま思うと良くないとわかるが、その当時は精神的に参っていた」と弁明した。

男によれば「どうしても、この子が好きだった」という。

また、性的虐待が2025年まで続いた理由については「まだ思いがあった。もし一緒になれるなら、なりたいと思っていた」と述べている。

弁護側は事実関係を争わない方針

その後、論告が行われ、検察側は「被告は支配的な立場を利用し、被害者を自己との性的行為に応じるよう言葉巧みに仕向けた上、性的行為の内容を次第にエスカレートさせて、ついには処女であった被害者と性交した。被害者は、その当時、性交同意年齢未満の12歳であり、処女や性交の正確な意味も理解していないなど、性的に無知であったため、性的自由・性的自己決定権が十分に保護されなければならないのは当然。被害者を保護すべき立場にありながら、被害者に『お前の処女が欲しい』などとまで言って、未成熟な被害者の心理につけ込み、被害者の性的自由・性的自己決定権を積極的に侵害したのであって、極めて卑劣で悪質な犯行であるというほかない」と指摘し、「被告と被害者が長期間にわたって不適切な関係にあったのは、本件を含む幼少期の性的虐待が被害者の人格形成に多大な悪影響を与えたからにほかならない」と非難。

その上で、「自己の性的欲望の赴くまま犯行に及んだもので、犯行動機に酌量の余地は皆無である。被告は『被害者に恋愛感情を有していた』あるいは『無理やりではなかった』などと、あたかも自己の行為が正当化されるかのような弁解をしているが、被告の立場からしても、被害者の当時12歳という年齢からしても、被告の弁解が何らの意味を持たないことは明白。この期に及んで自己の責任を矮小化しようとする被告の態度に反省の情を認めることはできない」などとして懲役7年を求刑した。

これに対し弁護側は事実関係について争わない姿勢を示し、懲役5年が妥当と主張していて、判決は2月25日に言い渡される。

(テレビ静岡)

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