亡くなった大学生の投稿が多くの寄付を生んだ現象です。
寄付した方が明かす「グエー死んだンゴ」の奇跡。
10月に非常に珍しいタイプのがんでこの世を去った大学生の中山奏琉(かなる)さん(22)。
奏琉さんが予約していたとみられるメッセージ「グエー死んだンゴ」が亡くなった2日後に投稿されると、様々ながん研究機関への寄付が始まりました。
投稿をきっかけに寄付をした平沼賢悟さんは「そういう(寄付の)動きが、できはじめていたところを目にしたので、その動きを大きくしたいと思って、寄付をし投稿した」と話します。
「香典代わりに寄付しました」「成仏してクレメンス」など、投稿のリプライ欄には多くのお悔やみの言葉が並びました。
では、寄付をした側は。
初期に加わった平沼さんは、「地震などは大きな報道がきっかけになると思うが、今回は中山さんという一個人がこれだけ大きな動きを生じさせたのは、今までの寄付の流れとは違う流れなのかなと感じた」と話し、これまでとは違った形に驚いたといいます。
実は平沼さんはがんの研究に携わる医師で、「これまでがんセンターにこういった形で、誰でも寄付できることは知られていなかったと思う。そのことが多く知られるようになったことでも、大きな前進かなと思う」といい、「グエー死んだンゴ」は寄付金以外にも影響を残したと語ります。
覚悟とユーモアを持った投稿が生んだ行動。
奏琉さんの父・和彦さんは「本当に『仲間内で』くらいの軽い気持ちで、『みんなこれで笑うかな?』ぐらいの、軽い気持ちでの最後の投稿だったと思う。本人もびっくりしているんじゃないですか」と笑いながら話します。
そして、寄付をした人たちに「色々な奇跡が重なっていったと思う。本当に『ありがとうございます』ですね。奏琉は亡くなってしまったが、奏琉が入っていた病院には2歳、3歳の小さいお子さんがいたり、そういうお子さんを抱えたお母さんやお父さんがいたり。寄付を頂いてこれから先、そういう方が一人でも減っていくような世の中になれば良い」と、メッセージを寄せました。
22歳が残した最期の言葉は、本人すら予想しなかったであろう奇跡を起こし、今もなお支援の輪を広げ続けています。