2025年の重大ニュースを振り返ります。今回は発生から間もなく2年を迎える能登半島地震についてです。
この1年、富山県内では液状化対策の住民負担ゼロが決まるなど、復旧・復興に向け動き出しています。
去年の元日。震度5強の揺れに見舞われた氷見市。
＊リポート
「被害が大きかった栄町では災害公営住宅の建設工事が進んでいます。現在現場では、建物の基礎のくい打ちの作業が行われています」
特に被害の大きかった栄町、北大町、それに伊勢大町で災害公営住宅が建設されることが決まっていて、来年秋の入居開始へ工事が進められています。
富山県内およそ2万3000棟が被害を受けた能登半島地震。
今年、自治体の費用負担で行う「公費解体」が進み、被災地の風景は大きく変わりました。
去年23％ほどだった解体済みの割合は10月末時点でおよそ83％となりました。
＊リポート
「きょうからの実証実験、地中に埋めた管で地下水を集め、ポンプでくみ上げる作業が始まりました。」
液状化の被害があった射水市港町。今後、液状化が起こりにくくするための工事の実証実験が、富山県内で初めて始まりました。
地下水をポンプで人工的にくみ上げ、地下水位を下げる工法。地盤を固くすることで、再び液状化するのを防ぎます。
港町地区の地下水位は浅いところで、地下60センチでこの工法を使えば、水位を地下3メートルまで下げられる想定です。
市は来年5月まで効果を確認し、早ければ来年度末までに本工事を始めたいとしています。
その液状化対策の焦点となっていたのが費用の住民負担です。
対策にかかるポンプの電気代やメンテナンス代などを誰がどの程度負担するか議論されていましたが...。
＊氷見市 菊地市長
「住民負担を求めないということで、意見が一致した」
今年10月、液状化被害を受けた5つの市は、住民に負担を求めない方針を決め、復旧・復興に大きく前進しました。
実証実験が行われている射水市港町の佐竹正さん。住み慣れた街でこれからも安心して暮らせるよう実証実験の成功を祈っています。
Q.住民負担ゼロでまとまったのはどう？
＊射水市 古新町西部自治会（港町） 佐竹正会長
「大変良かったなと思う。ここの地盤であれば、おそらく地下水はどんどん出るはず。今の状態を見たら結果としてはいいのでは。（水の）勢いがあるから」
その一方、被災地で課題となっているのが人口の流出です。液状化の被害が大きかった、高岡市伏木地区ではおよそ13％の人が地区を離れました。
＊タカハタ化粧品店 高畑直樹さん
「前の道路が水があふれて勾配がついているので、川みたいに流れていた」
液状化した通りで化粧品店を営む高畑直樹さん。公費解体や道路の修理など復旧は進んでいるものの、それだけでは賑わいのあった前の伏木には戻らないと話します。
＊タカハタ化粧品店 高畑直樹さん
「インフラ整備をやって元の状態になったらそれで復興ということではないと思う。10年後、20年後も見据えて『こういう街になるのならここに住んでみようかな』とか、『ここで商売やってみようかな』という夢を持てるような復興を」
20日には威勢のいい掛け声が響く伏木の公園にたくさんの地元の人が集まりました。
街を希望の明かりで灯そうと高畑さんたちが企画したのがイルミネーションの点灯。点灯式に合わせたイベントでは地元の人たちが用意したぜんざいや甘酒などがふるまわれました。
Q.来てみてどう？
「元気になる」
「知り合いにも久しぶりに会えたのでうれしかった」
サクラの木に取りつけられた1600球のLED。七色の光が伏木の街を彩りました。
＊タカハタ化粧品店 高畑直樹さん
「復興はまだ先の長い話になると思うが、（イベントが）復興の一歩になればいい。次につながったり、輪が広がっていけばいい形になると思う」
街の賑わいをもう一度取り戻したい。復旧から復興へと向かう被災地は地震から2年を迎えます。
