ハッピーベイビープロジェクトです。今回は「子どもも、大人も幸せになる街づくり」を目指す取り組みを紹介します。
近年、「こどもの貧困やいじめ、虐待さらにインターネット利用での問題」など、こどもを取り巻く状況が厳しさを増しています。
こうした事からこどもたちを守るために、私たち大人が出来る事とは…。その取り組みを見ていきます。
「ぼくらはみんな ありのまま（生きる） 愛されて（育つ） 抱きしめて声を聴いて 幸せを繋ごう」
南砺市の山野保育園です。
年長児が楽しそうに歌っているのは、南砺市のオリジナルソング。保育園の運動会や発表会などで歌われていて南砺市で広く浸透しています。
明るくて素敵な歌ですね！
この曲と歌詞に込められたのは、「こどもの権利」と「大人も一緒に幸せに暮らす」未来の姿。
南砺市が定めた「こどもの権利条例」を広く知ってもらうために作られました。
＊南砺市 こども課 山田千佳子課長
「南砺で育ってよかった、南砺で育ちたいと、こどもも大人も幸せになれるまちづくりを目指し制定した」
南砺市のこどもの権利条例は、「生きる権利、育つ権利守られる権利、参加する権利」大きくこの4つに分けられます。
こどもの権利とは…。子どもへの様々な暴力防止について取り組むNPO団体の富山CAPに聞きました。
「ヒロさん何しているかな？」
「寝ている」
「どうして寝ているのかな？」
「眠いから」
「ヒロさんには寝る権利があるんですよ」
富山CAPは定期的に南砺市の保育園などを訪れ、こどもと大人に向けて「こどもの権利」の理解を深めています。
＊富山CAP 岸順子代表
「世の中を見ていても人権意識がない、予防という考え方が低い。そこをおさえないと被害に遭う人だけが増えていく。早い時期（就学前）に自分は大切なんだ、権利があるんだと、しっかりと伝えていく。地域からそういう人たちを増やして安心安全な地域にしていきたいと思っている」
岸代表は、幼少期からの教育と大人の正しい理解こそが子供たちを守ることにつながると考えています。
日常で起こりうる危険な場面を伝える劇も。
「私たちこの人知らないわ。ねぇ、名前教えなきゃいけないの」
人権意識を高めるため大切にしている合言葉があります。
「安心・自信・自由」
＊富山CAP 岸順子代表
「関心を持って社会を変えていくために何が必要なのか受け止めて、こどもの権利を中心に（富山県を）盛り立てていきたい」
「権利」という言葉に身構えてしまうのではなく、その意味を理解することが大事で、子どもたちにも自分たちの権利を知ってもらうことが重要ですね。
日本は先進国の中でも、「こどもの権利」に関する意識、取り組みが遅れていると指摘されていて、南砺市のように県内でも条例の制定に向けた動きが加速しています。
専門家に聞きました。富山国際大学子ども育成学部の村上満教授です。
＊富山国際大学 子ども育成学部 村上満教授
「こども家庭庁ができて、こども真ん中社会を改めて伝えている状況。こどもの健やかな成長のため、大人が仕切り直す」
特に大切なのは、子どもが安心して意見を言え、自分らしく生きる環境を整えることだといいます。
＊富山国際大学 子ども育成学部 村上満教授
「（子どもは）言っても大丈夫だという安心感が前提にある」
そして村上教授は、子供の意見や価値観を受け入れる、大人の理解が何より必要だと話します。
＊富山国際大学 子ども育成学部 村上満教授
「ハラスメントや虐待行為など、心の容量が狭くなっているがゆえに起こりうる問題という風にも考えられる」
まずは大人の意識改革ですねまた、その重要性から国をあげて取り組みを進めているんですよね。
こども家庭庁の設置もその一つですよね。
そして県内の市町村ではこどもの権利条例が制定されているのは5市町です。富山県も来年春の制定に向け話し合いを進めています。
是非、みなさんも「こどもの権利」について考えるきっかけにしてください。
