初の女性首相と県内初の女性国会議員が誕生

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「働いて働いて働いて働いて働いて参ります」

10月に第104代内閣総理大臣に就任した自民党の高市早苗総裁のこの言葉は、新語・流行語大賞に選ばれた。日本初となる女性首相の誕生は社会に大きなインパクトを与えた。

女性の政治的活躍は地方にも広がりを見せている。7月の参院選では、富山選挙区で国民民主党の庭田幸恵氏が「もっともっと手取りが増える夏を実現したい」と物価高対策を訴え、保守王国と称される富山県で自民党の牙城を崩し、県内初の女性国会議員として初当選を果たした。

さらに9月には日本維新の会の上野蛍氏が参議院比例で繰り上げ当選し、富山県選出の国会議員の顔ぶれは大きく変化した。

自民・維新連立で政局に大転換

今年の政治は大きな転換点を迎えた。26年間続いた自民・公明の連立が解消され、新たに自民党と日本維新の会による連立政権が誕生した。

この政権交代に伴い、維新が連立の絶対条件として掲げた衆議院の議員定数削減が政治課題として浮上。両党は定数の1割を目標に削減することで合意し、1年以内に削減の結論が得られなければ小選挙区で25、比例代表で20を自動削減するとした法案が提出された。

自民党の試算によれば、小選挙区で25削減される場合、富山県内の選挙区は現在の3から2へと削減される対象となっている。法案は先の臨時国会で成立が見送られたものの、与党は来年の通常国会での成立を目指すとしている。

北陸新幹線ルート見直しへ

連立政権の枠組み変化は、北陸新幹線大阪延伸のルート問題にも影響を与えている。維新の前原誠司衆院議員は「小浜市付近を通ることが50年前の閣議決定に縛られているので、これにとらわれない」と発言。

維新は現在も着工に至っていない小浜‐京都ルートを見直し、滋賀県の米原で東海道新幹線につなぐ米原ルートを含め8つの案を再検証するよう求め、自民党も同意した。長年議論されてきた問題がどのように進展するか、今後の動向が注目される。

田畑議員問題は未解決

一方、依然として結論が出ていないのが田畑裕明議員の不適切な党員登録問題である。空席となっている衆議院富山1区の支部長選考は難航している。

田畑議員を巡っては、262人について本人に無断または架空の党員登録を行い、企業からの寄付金を党費に充てていた疑惑が持たれている。自民党富山市連は5月、田畑議員が説明責任を果たしていないとして支部長に選任しない方針を機関決定し、県連を通じてその旨を党本部に上申した。

「どうか皆様とともに働くことができるチャンスを与えていただきたい」

12月13日に行われた聞き取りで田畑議員はこのように述べ、一連の問題を陳謝したものの、不適切な党員登録問題に関する自身の関与を否定する新たな証拠は示さなかった。富山市連は田畑議員以外での選考を進める方針を変えておらず、年明け以降、新たな候補者の選考が本格化する見通しである。

地方選挙でも女性の躍進

女性の活躍は地方議会にも広がりを見せている。4月の富山市議選、10月の高岡市議選と入善町議選では、新人の女性候補がトップ当選を果たし、議会に新たな風をもたらした。

このほか、6月の高岡市長選挙では出町譲氏が現職を破って初当選。自民党高岡市連は2連敗を喫する結果となった。

(富山テレビ放送)

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