いま増加傾向にある犯罪の中に「訪問盗」という手口の犯罪がある。
泥棒と言えば空き巣のイメージだが、人がいる前で堂々と盗みを働く。
業者を装って、住宅を訪問。許可を得た上で住宅に入り、隙をついて金品を盗む。
今回、被害にあった女性を取材、どうして盗まれてしまったのか、その手口を聞いた。

廃品回収なのに廃品には目もくれず…

福岡市内に住む70代の女性。事件に巻き込まれたのは2020年6月のこと。

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被害女性:
ピンポンして、2人で(来ました)。「廃品(回収)ですよないですか?」と。普通の目つきでね、初めはわからなかったからね

廃品回収に訪れた2人組の男。
業者と信じて疑わなかった女性は、2人を部屋に招き入れ、要らなくなったテーブルの回収を依頼した。

しかし、2人はテーブルには目をくれず、次のように切り出したという。

男:
宝石を見せてもらえないですか。骨董品とかは、ないですか

「見せるだけなら…」そんな思いから、女性はタンスに保管していた宝石と戸棚にしまっていた壺などの骨董品を2人に見せることに。

しかし…

被害女性:
あっちとこっちになってね。私がこっちを(陶器の対応を)しよったから。ほんと、全部無くなっとった。宝石が。(男が)自分のどこかに入れているわけよ

女性が目を離した隙に無くなっていた宝石や指輪。
2人に返すよう求めると思いもよらない言葉が返ってきた。

被害女性:
「(あなたから)もらったと」って。「そんなこと言うもんですか」と言ったけどね

ーー訳がわからない状態?

被害女性:
そう、私がどんだけ言ったって返さないからね。何もできんかった

2人はテーブルと複数の骨董品の代金として2万円を女性に渡して去って行ったが、さらに。

被害女性:
ポケットの中に2万円とブローチ(を入れてた)。なんも無かったです

ーーポケットに手が入ったのは気づかなかった?

被害女性:
全然…

こうして部屋にあった高価な物を殆ど失った女性。
盗まれた指輪は義理の母の形見だったという。

被害女性:
(義母が)目に浮かんだですね。悲しいですよ。夜、眠られなかったとですよ。呆然としていたですね

被害届で逮捕…形見は戻らず

その後、女性は警察に相談、被害届を出した。
そして9月、この事件に関与したとして、警察は宝石や指輪など7点を盗んだ疑いで石橋晟容疑者ら5人を逮捕した。

男たちが持ち去った品物は質店に持ち込まれていて、形見の指輪をはじめとする品物はひとつも女性のもとに返ってきていない。

被害女性:
ものすごい歯がゆい。何でこんなになってしまったんだろうかと思った

この訪問盗、狙われやすいのは高齢者だが、実はいま増加傾向にある。

福岡県では2020年に入って59件もの被害が出ていて、前年同時期に比べ20%も増加している。
警察では新型コロナウイルスの影響で高齢者が家にいる時間が長くなっていることが原因のひとつと見ている。

(テレビ西日本)