8月の記録的な大雨で、福岡市内を流れる川が氾濫危険水位を超えたにもかかわらず、市が約1時間にわたり避難指示を出していなかったことがわかりました。

土のうが積まれた住宅前の道路を大量の水が流れていきます。

記録的な大雨となった8月10日、福岡市東区を流れる香椎川があふれ、その様子を住民が撮影していました。

一方、9月18日に川の様子を取材すると、朝からの雨で増水していたものの、普段は低いところを流れています。

当時の状況を住民に聞いてみると…。

◆住民
「(8月10日の)午後5時半でこの辺は完全に川になっていた。膝くらいまでは来ていたと思う。間違いなく氾濫していた」

男性が感じた通り、当時の香椎川は災害発生のおそれがある「氾濫危険水位」に達していました。

氾濫危険水位に達した直後、近所の住民が撮影した映像があります。

5分後には川の水が道路にあふれだし、氾濫したことが確認できます。

非常に危険な状態にも見えますが、このとき住民にはまだ避難指示は出ていませんでした。

市では氾濫危険水位に達した場合、避難指示を出すかどうか判断することにしていますが、避難指示が出たのは氾濫危険水位を超えた約1時間後で、その間に水位が上がり氾濫したと見られます。

指示の遅れについて福岡市の担当者は「急激に状況が変化するなかで避難所の確認などもあり指示が遅れてしまった」と説明していて、想定を超える雨に行政の判断が追いつかなかったことになります。

◆住民
「ここは元々そういう場所だから、住んでる人が個人で(避難を)判断するくらいじゃないと…」

この地域で氾濫による人的な被害はありませんでしたが、福岡市の担当者は今後は「できるだけ早く避難指示が出せるように事前の調整などをしていく」としています。

テレビ西日本
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