彬子さまの所作に大反響
9月9日から14日にかけてトルコを訪問された彬子さま。
トルコでも関心が高く、連日その動静が報じられました。
その中でも彬子さまのある所作がトルコ人の大きな反響を呼びました。
首都アンカラにある初代大統領アタチュルクの廟。
トルコ建国の父として知られ、トルコ人は時の政権を好む好まざるにかかわらず、初代大統領アタチュルクを尊敬しています。
10日に、そのアタチュルクの廟を訪れた彬子さまは献花し、深々とお辞儀をされました。この姿に多くのトルコ人が驚きとともに感銘を受けたのでした。
SNS上ではトルコ人から「なんて素敵な、なんて気高いプリンセスなのだろう!素晴らしい!」「アタチュルクにこれほど優美に敬意が表されたことが未だかつてあっただろうか!」「日本人は、日本国に、環境に、自国の価値に対して敬意を払うことを学んでいる。我々もその方法を見習うべきだ。」と彬子さまの振る舞いが絶賛されたのです。
トルコを訪れる海外要人は必ずと言っていいほどアタチュルク廟を訪れますが、このような反応が出るのは珍しく、あるトルコ人は、「献花をするだけの人が多い中、あそこまで綺麗に深々とお辞儀をする方を見たのは初めてだ」と話していました。
トルコ人は、自分たちが尊敬するアタチュルクに対し、彬子さまが多大な敬意を示されたことに感動したようです。
国旗を描いたネイルアートも話題に
また、トルコ外相と面会された際には、彬子さまの手元がクローズアップされ話題になりました。
日本国旗とトルコ国旗をあしらったネイル。細部まで気遣い、日本とトルコの友好親善のお気持ちを示された彬子さま。まさにトルコ人はハートをつかまれたのでした。
このほかにも彬子さまが各地を訪問される様子は連日報道されました。
28年前の同じ月日に訪問されたご両親の記帳
イスタンブール市内のベイレルベイ宮殿(オスマントルコ時代の離宮)を鑑賞された彬子さま。
宮殿には28年前の同じ日に記された、父・寬仁さまと、母・信子さまの記帳が残されていました。
今回、トルコの海事博物館に旧日本軍の軍艦「清輝」の模型が贈られました。
「清輝」は1878年に初めてトルコに寄港した日本の軍艦で、入港140周年を記念して寄贈されました。
模型とともに展示される木札は、戦艦「三笠」の甲板の一部で、彬子さまが「清輝」と書かれたということです。
トルコは「特別な国」
彬子さまのトルコ訪問は今回で7回目を数え、トルコとの繋がりについて「特別な国」だと述べられています。
「トルコは私にとりまして特別な国です。私が生まれて初めて訪れた海外の国はトルコでした。父が、初めての私の海外行きを許して下さったのは私が高等科の二年生の時でした。祖父である三笠宮殿下が、長年支援をされてきた、カマン・カレホユック遺跡をどうしても見てみたいとお願いをしたのです」
彬子さまがトルコを訪問されるきっかけとなった、トルコ中部のカマン・カレホユック遺跡とは、三笠宮さま・寬仁さまの支援を受けた日本の調査チームが30年以上に渡って発掘を続けている遺跡です。
出土した遺物を保存・研究するだけでなく、専門家や考古学者の育成も行われていて、日本とトルコの学術研究における交流の懸け橋にもなっています。遺跡の発掘、研究を今後も継続できるように、トルコでは去年、「三笠宮記念財団」が設立され、彬子さまが総裁に就任されました。
13日に行われた記念式典で、彬子さまは「三笠宮家親子三代の想いが込められた研究所の活動を永続的に支えていくために三笠宮記念
財団がトルコ政府の認可を頂き設立されました。この財団の総裁を引き受け致しますことは三笠宮家に連なる者として大変ありがたく、また多くの責任も感じております。」と述べられました。
親子三代に渡って築き上げてこられたトルコとの絆、そして今回の彬子さまのご訪問は日本とトルコの友好親善だけではなく、トルコ人の心に残る印象深いものになったようです。
(執筆:FNNイスタンブール支局長 内橋徹)