春の高校バレー全国大会に2年連続16回目の出場を果たす岩手県代表の男子・一関修紅。前回の春高でレギュラーだった7人のうち5人が残る経験豊富なチームが、今大会はベスト8以上を目指す。チームの強みは「どこからでも得点できるコンビバレー」だが、特に注目すべきは性格もプレースタイルも対照的な2人のミドルブロッカーだ。彼らの個性と連携が、チームの躍進を支えている。
個性際立つミドルブロッカーコンビ
一関修紅の攻撃を組み立てるのは3年生セッターの山崎凰駕選手。スタメンのアタッカー全員が1、2年生という若いチームを多彩なトス回しで引っ張っている。
山崎選手が特に信頼を寄せるのが、「お茶目」と「真面目」という性格とプレースタイルが対照的なミドルブロッカーコンビだ。
「大事なところで決めてくれるし、強いメンタルも持っている。信頼して使っている」と山崎選手は語る。
高さが武器の「攻撃型」三浦選手
お茶目な性格の三浦舜太選手(2年)は攻撃型のミドルブロッカー。
最高到達点は入学時の300cmから現在は328cmへと成長し、チームナンバーワンの高さを誇る。
初めてスタメン入りしたのは1年前の春高全国大会だった。
「1年前の経験はプラスになると思うし、自信を持っていけると思う。緊張せずに自分の得意を生かしたプレーがしたい」と三浦選手は意気込む。
分析力に秀でた「守備型」成田選手
一方、真面目な性格の成田涼太選手(2年)は分析力に秀でたミドルブロッカー。
最近のテストで学年トップを取ったその頭脳は、プレースタイルにも表れている。
「試合中はただプレーするんじゃなくて、考えるという部分は重視している」と成田選手。
特に得意とするのがブロックだ。相手を観察してデータを蓄積し、高さや動きを読む知的なプレーが持ち味である。
互いを高め合う信頼関係
タイプの異なる2人は、互いを補い合い高め合ってきた。
成田選手は「舜太は攻撃に関しては本当に尊敬できる部分でもあるし、追いつかなきゃいけない部分だなと思う」と三浦選手を評価する。
三浦選手も「成田さんは守備力がすごく高くて、攻撃もバランスの良い選手だと思う」と互いに認め合っている。
悔しさをバネに「勝負の舞台」へ
1年前の春高では悔しい初戦敗退。主力が残るチームで挑んだインターハイは予選敗退と、全国での悔しさを晴らそうと努力を重ねてきた。
県勢の男子の全国大会での最高成績はベスト16。今回はどのチームも到達したことのないベスト8、そしてそれ以上を目標に掲げている。
山崎凰駕選手(3年)は「去年までは春高全国は『夢の舞台』、今年は『勝負の舞台』というふうに意識を変えてやってきた。勝利をつかんで笑顔で終われるように頑張りたい」と決意を語る。
吉田史温主将(3年)も「全力でバレーボールをして、支えてくれた人たちにプレーで感謝を伝えたい。自分たちが立てている全国ベスト8以上を達成できるよう、一戦一戦頑張りたい」と意気込みを語った。
性格もプレースタイルも対照的なミドルブロッカーコンビを中心に、県勢男子初のベスト8以上を目指して戦いに挑む。
