ロサンゼルスを拠点に活動する壁画アーティスト、ロバート・バルガスさんが岩手県奥州市を訪れ、美容室の外壁に大谷翔平選手と愛犬「デコピン」の心温まる姿を描いた。これは地元の大谷ファンである美容室オーナーの依頼によるもので、わずか3時間半という短時間で完成した作品は「ファミリー」と名付けられ、ドジャースがワールドシリーズを制した喜びの瞬間を表現している。
大谷選手の地元に新たな壁画が誕生
9月24日朝、奥州市水沢の美容室「Seemshair&spa」に、ロサンゼルスから壁画アーティストのロバート・バルガスさんが訪れた。

店のオーナーである菅野広宣さんは熱烈な大谷選手のファンで、バルガスさんに店の外壁に大谷選手の愛犬デコピンの壁画を描いてほしいと依頼していた。
バルガスさんといえば、ロサンゼルスのホテルに大谷選手の「二刀流」を表現した壁画を描き、2025年3月のお披露目で日本でも一躍有名になったアーティストだ。

その3月には、大谷選手の地元に自身の作品を残したいという思いから、市の施設(奥州市まちなか交流館)にバッターとしての大谷選手の姿も描いている。
下書きなしで描く独自のスタイル
午前8時、壁画制作がスタートした。菅野さんはこの日を心待ちにしていたという。
「最終的にどう仕上がるかまだわからない。楽しみで仕方ない」と菅野さんは制作過程を興奮気味に見守っていた。

バルガスさんの特徴的なスタイルは、下書きをせずに最初から塗料を載せていく手法だ。
高さ2.6m・幅3.3mという大きな外壁を前に、彼は迷いなく筆を進めていった。そして驚くことに、わずか3時間半で壁画は完成した。
「ファミリー」に込められた温かな思い
完成した壁画の題名は「ファミリー」。2024年にドジャースがワールドシリーズを制覇した際、大谷選手が愛犬のデコピンと喜びを分かち合う瞬間が描かれている。

バルガスさんは「最初はデコピンだけ描こうとしていたけれど、大谷選手の絵もサービスして『プレーオフも頑張れ』と思いを込めた」と語った。
作品を目の当たりにした菅野さんは「最高です。『ロサンゼルスが奥州市に誕生した』そんな感じ」と感激の様子だった。

菅野さんは、この壁画が「大谷ファンが奥州市をめぐる際の観光名所のひとつになってほしい」と期待を込めている。
大谷選手の地元に新たな名所が誕生した瞬間となった。