H3ロケット8号機が12月22日午前10時51分、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げられた。日本版GPSと呼ばれる「みちびき5号機」を搭載したロケットは順調に飛行していたものの、予定されていた衛星の投入時間の直前にJAXAが「第2段エンジンの燃焼が予定より早く終わりました」と発表。現在、状況を確認している。
17秒前の打ち上げ中止から再チャレンジ
H3ロケット8号機の打ち上げは、延期を経て12月17日に予定されていたが、直前の17秒前でカウントダウンが停止し中止となっていた。原因はロケット打ち上げ時に発生する高温・高圧のガスを冷やすための冷却水を供給する地上設備の不具合だった。必要な量の冷却水が出ず、システムが自動的に緊急停止したという。
この設備は2024年11月のH3ロケット4号機の打ち上げ時に導入されたもので、種子島宇宙センターでは初めての不具合だった。
「みちびき5号機」の行方
今回のH3ロケット8号機には、スマートフォンやカーナビなどの位置情報の精度向上に役立てられる日本版GPSと呼ばれる「みちびき5号機」が搭載されていた。JAXAによると、前回の打ち上げ中止時には機体と衛星に損傷は確認されていなかったという。
しかし今回、第2段エンジンの燃焼が予定より早く停止したことで、JAXAが詳細の状況を確認している。
日本の宇宙開発を担うH3ロケット
2025年6月にH2Aロケットの最終号機が打ち上げられて以降、日本の宇宙開発はH3ロケットに移行している。
JAXAはこの後記者会見を開き、発射時の状況などについて詳しい説明を行う予定だ。今回の事態が日本の宇宙開発計画にどのような影響を与えるのか、今後の展開に注目が集まっている。
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