充血やかゆみといった症状が花粉症と酷似し、放置すると失明に至る可能性もある「ぶどう膜炎」という病気がある。年間約5万人が発症するとされるこの目の病気について、専門医に話を聞いた。

「ぶどう膜炎」とは

目の中に炎症を起こし、放っておくと視力が低下したり、最悪の場合失明する恐れがある病気「ぶどう膜炎」。

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目の中に入る光の量を調節する虹彩やピントを調節する毛様体、網膜に栄養を与える脈絡膜の総称を「ぶどう膜」と呼び、この部分に炎症が起こるのが「ぶどう膜炎」だ。

年間約5万人が発症しているというぶどう膜炎について、宮崎市の専門医・杉田直院長に話を聞いた。ぶどう膜炎の原因は多岐にわたるという。

原因のひとつである感染症は、ウイルスや細菌、寄生虫、カビなどに感染し、それらが血液中を循環して目に行くことで、ぶどう膜に炎症を引き起こす。

また非感染性ぶどう膜炎は、ベーチェット病やサルコイドーシスなど、いわゆる自己免疫疾患の病気で起こる。

充血、かすみ、飛蚊症に注意

ぶどう膜炎にはどのような症状があるのだろうか。

症状としては、ゴミやオタマジャクシのようなものが見える「飛蚊症」や目の霞、充血などがある。

ぶどう膜炎による充血は、アレルギー性結膜炎いわゆる花粉症による充血と区別がつきにくいため、発見が遅れることもあると杉田院長は指摘する。

ぶどう膜炎の専門医 杉田直院長:
花粉症は目の表面に炎症を起こして充血やかゆみを起こす。一方、ぶどう膜炎の充血は目の中が炎症を起こしているもの。見た目では全然わからない。

多くの場合、視力低下を伴うぶどう膜炎は、治療をせずに放っておくと最悪の場合、失明に至る恐れもある。

治療の遅れが長期化を招く

3ヶ月前にぶどう膜炎を発症した男性患者は、くりかえす充血と眼精疲労のような痛みを感じていたという。男性患者は「ぶどう膜炎という病気を知らなかったので、治るだろうと思っていた」と話す。

ぶどう膜炎の治療方法は、抗炎症薬であるステロイドを患者の症状に合わせて投与していくことが基本となる。最初は目薬から始め、効果がない場合は目の注射、それでも効かない場合は飲み薬や点滴と、段階的に薬を強くしていくという。

男性患者の目の表面の写真を見ると、12月末頃の写真と1月の写真では、だいぶ充血がなくなったのがわかる。

いっぽう、5年前に「ぶどう膜炎」を発症したという女性は、複数の病院を転々として治療を続けてきた。

女性患者:
眼科で「内科に行って」と言われ、内科に行ったら内科の先生も困ってしまって、治療が遅くなった。前の病院で「あなたのは治らない、注射と点眼しかない」と言われて、ここにすがる気持ちで来た。

ぶどう膜炎の専門医が少なく正確な診断を受けられる環境が少ないのも症状が長引いてしまう要因の1つだ。杉田院長は、女性の右目の状態はあまり変化がないものの、左目が悪化していると診断。

目の中に起こっている炎症性の濁りや網膜の炎症を引かせるため、注射による治療をすることにした。

そして、一生このままという状態にはならないとし、「どこかのタイミングでゆっくりゆっくり良くなるから今はちょっと我慢かな」と話した。

 目の異変を感じたらすぐに受診を

感染症や自己免疫疾患などが原因となって発症するぶどう膜炎には、現時点で直接的な予防法はない。

目の充血やかすみ、飛蚊症(小さい点が見える)などといった症状が見られた場合にはすぐに眼科を受診することが大切だ。
また、ぶどう膜炎は再発が多く、なかなか治りにくい厄介な病気であるため、診断された際には専門医のいる医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大事だという。

杉田院長は、目を健康に保つためには習慣的に目薬を差し、目の中のゴミを洗い流すこと、そしてサングラスなどで紫外線から目を守ることも大切だと話す。日頃からこうした習慣を身につけ、大切な目を守っていくことが重要である。

(テレビ宮崎)

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