不動産大手・森ビルのシンクタンク都市戦略研究所は17日、2025年の「世界の都市総合力ランキング」を発表した。去年まで9年連続3位だった東京が一つ順位を上げ、調査開始以来初めて2位となった。
「世界の都市総合力ランキング」は、世界の主要48都市の「総合力」を経済、研究・開発、文化・交流、居住、環境、交通・アクセスの6分野で評価し、ランキングしたもの。
2025年の1位は14年連続でロンドン、2位は東京、3位はニューヨーク、4位はパリ、5位はシンガポールだった。
東京は「文化・交流」(2位)や「居住」(1位)を中心にスコアを大きく上昇させた。なかでも、観光地の充実度は11位から2位となり、ナイトライフ充実度は8位から1位、飲食店の数も4位から1位となった。
一方去年2位だったニューヨークは、物価高の影響で、前年は5位だった「居住」のスコアが44位と大幅に下落した事などから、東京の逆転を許して3位となった。
東京は、文化イベントの規模や種類、買い物・飲食の魅力など、都市のソフトパワーは向上し続けているが、2016年には1位だった「経済」分野が12位まで下がった。
日本の都市では、大阪が前年35位から大幅に順位を上げて18位だった。外国人訪問客数(6位→2位)、ナイトライフ充実度(29位→18位)食事の魅力(17位→9位)買い物の魅力(22位→19位)など、「文化・交流」分野で大きくスコアを伸ばした。
福岡は前年の42位から2ランク上がり、40位だった。
東京の都市力について都市戦略研究所は「確固たる強みとなった文化・交流分野を武器に、ビジネス環境の整備を通じて国際的接触・融合の機会をさらに高め、積極的な人的投資を行うことで、都市経済を最大化するイノベーションの芽を育てていくことが求められる」としている。
総合ランキングは以下の通り(カッコ内は前年順位)
1位 ロンドン(1)
2位 東京(3)
3位 ニューヨーク(2)
4位 パリ(4)
5位 シンガポール(5)
6位 ソウル(6)
7位 アムステルダム(7)
8位 上海(11)
9位 ドバイ(8)
10位 ベルリン(9)
11位 コペンハーゲン(12)
12位 北京(16)
13位 メルボルン(13)
14位 マドリード(10)
15位 シドニー(17)
16位 ウィーン(15)
17位 ストックホルム(14)
18位 大阪(35)
19位 フランクフルト(23)
20位 サンフランシスコ(25)
21位 チューリッヒ(20)
22位 香港(18)
23位 バルセロナ(19)
24位 台北(30)
25位 ロサンゼルス(22)
26位 トロント(24)
27位 ボストン(33)
28位 ブリュッセル(26)
29位 シカゴ(27)
30位 ダブリン(21)
31位 イスタンブール(32)
32位 ミラノ(31)
33位 ヘルシンキ(29)
34位 ジュネーブ(28)
35位 モスクワ(34)
36位 バンクーバー(36)
37位 クアラルンプール(41)
38位 バンコク(39)
39位 ワシントンDC(37)
40位 福岡(42)
41位 サンパウロ(40)
42位 テルアビブ(38)
43位 ブエノスアイレス(43)
44位 メキシコシティ(44)
45位 ジャカルタ(45)
46位 カイロ(46)
47位 ムンバイ(48)
48位 ヨハネスブルク(47)