『カメラと本とお茶』がテーマです。明治から大正にかけて活躍した文豪・夏目漱石が過ごした『内坪井旧居』を広く知ってもらおうと高校生が先月、イベントを開きました。

【熊本市立必由館高校2年 林 唯花さん】
「漱石のこの家を知ってもらいたい」

『坊ちゃん』や『草枕』などの作品で知られる明治から大正にかけて活躍した夏目漱石。

熊本市中央区にある『夏目漱石内坪井旧居』は、熊本で過ごした4年間で引っ越しを繰り返した漱石が最も長く住んだ家です。

【林 唯花さん】
「建物のきれいなところやすてきなところもあって漱石の家だけじゃない価値もあるな」

授業の一環で初めて内坪井旧居を訪れた林 唯花さん。旧居を広く知ってもらおうと『カメラと本とお茶の日』というイベントを11月、6人の仲間たちと開きました。

【生徒】
「例えば、回っていて〈かわいい〉と思ったところを写真撮ってもらって」

【参加者】
「探しにに行こうか」「うん!」

これは、旧居を回りながらカードに書かれた『お題』にぴったりな写真を撮る『フォトスタンプラリー』。

「どれからいく?」
「かわいい!」

参加した女の子は、〈かわいい〉や〈かっこいい〉〈怖い〉などお題に沿って撮影してきた写真を報告しました。

「ここが、かっこよかった」

【参加した女の子】
「ワクワクした。ガラスの透明なところがかわいかった。きれい!」

【女の子のお父さん】
「初めて建物を見て、落ち着いた空間で〈ここで本を書いていたのかな〉とか庭とかを見られて、いい経験をさせてもらいました」

『誰かに譲りたい本』が並ぶ、お金のやり取りがなく本の新しい持ち主を探す『古本バザー』も開かれました。

【必由館高校の生徒】
「学校の黒板に張ってあって、古本のバザー展が気になって来た。必由館の生徒がやっていると知らなくて、制服を見て〈アッ〉と思って」

【必由館高校の生徒】
「雰囲気が良くて、〈こういう家に住みたいな〉と思ったりします」

林さんの学年主任、清家 有希 先生は本を持参して駆け付けました。

【熊本市立必由館高校 清家 有希 先生】
「自主的に自分たちで考えて、旧居とお茶と写真とか自分が考えないようなアイデアがあるから〈すごいな〉と思って見に来ました」

お茶とお菓子で一休みできるスペースも。

【林さんの祖父母】
「漱石の館があるのは初めて知りました」
「なかなか古い屋敷があって風情があっていいですね」
「癒やしの場所にしたいと思います」

熊本地震で7年間の休館を余儀なくされた『夏目漱石内坪井旧居』。

休館前の2015年は年間約1万4000人だった入館者が、2023年には半分の約7000人にとどまっていて、まだ休館前の状況には戻っていません。

【夏目漱石内坪井旧居 塩田 賢俊 館長】
「僕たちは熊本の漱石文化を伝えていくのが役割。若い世代の皆さんが自らのアイデアで企画して、そして自分たちが率先して動いて、僕らはありがたいし、感動しています」

【林 唯花さん】
「お茶とか飲んでお話したりリラックスしたり、フォトスタンプラリーでいろいろな場所を巡ってくれて、いっぱい知ってもらえているという感じがして、うれしいです」

林さんは今後、この夏目漱石内坪井旧居で「自分な好きな本に関連したイベントを開きたい」と考えています。

テレビ熊本
テレビ熊本

熊本の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。