「脱水症予防のために水分を摂りましょう、というのならまだ理解できますが、熱中症予防のために水分を摂りましょうというのはどう考えても間違いです。脱水症と熱中症は別物です。体内の水分が不足し、水分と電解質のバランスが崩れた状態が脱水症。

熱中症は、長時間高温環境にいることで体温調節機能が正常に働かなくなり発症します。めまいや吐き気やだるさのほか、重症の場合はけいれんや意識障害が引き起こされることもあります。熱中症の予防や治療には体温を下げることが不可欠で、水分を大量に摂取したからといって予防できるものではありません」

(イメージ)
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水分を大量に摂れば体温も下がるように思われがちだが、水分を経口補給するだけでは体温はそれほど下がらないという。熱中症を予防するには、暑い環境に長時間身を置くことを避け、エアコンの効いた涼しい場所で過ごすしか方法はないようだ。

「実際、熱中症予防のためにと、エアコンの効いた部屋の中にいながらスポーツドリンクをがぶ飲みする人が増えています。私の勤務する病院にも夏になると血糖値が上がり体調を崩す患者さんが増えるのですが、話を聞いてみると、エアコンの効いた部屋でスポーツドリンクを大量に飲んでいた…というケースが多いのです。涼しい部屋で、汗もかかずにエネルギーも使わずにいるのに、スポーツドリンクをガブ飲みしていれば血糖値は上がって当然ですよね」

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さらに、気分転換や集中したい時に飲まれることが多いエナジードリンクについても、スポーツドリンクと同様に飲み過ぎは禁物だという。