ジムやサウナなどで汗をかいて喉が渇いたとき、みなさんは何を飲んでいるだろうか?スポーツドリンクを飲んでいる人もいるだろうが、じつはスポーツドリンクを飲み過ぎると血糖値が上がりすぎて、逆に健康を損なう危険性があるという。綾部市立病院(京都府)の糖尿病専門医、大坂貴史さんに、スポーツドリンクやエナジードリンクなど、市販ドリンクとの正しい付き合い方を聞いた。

スポドリはアスリート向け

スポーツドリンクには“健康的な飲み物”というイメージがあるが、血糖値が高めの人や糖尿病の人、激しい運動を行わない人は飲むべきではない、と大坂さんは断言する。

「スポーツドリンクにはジュースやサイダーなどと同様に砂糖が多く含まれているため、たくさん飲むと血糖値が確実に上がってしまいます。スポーツドリンクはその名の通り、あくまでスポーツをする人のために作られた特別な飲料。たいして運動を行わない人が喉の渇きを癒やす目的で飲むと、カロリーや糖分の摂り過ぎになりかねません」

(イメージ)
(イメージ)
この記事の画像(4枚)

スポーツドリンクに糖分が多く含まれているというと意外に思われるかもしれないが、本来の用途からすれば、これは当然のことらしい。

「スポーツドリンクに糖分が入っているのは、激しい運動で消費されたエネルギーを補うためです。効率よく液体でブドウ糖を吸収できるスポーツドリンクは、一般の人には必要なくても、激しい運動をおこなうアスリートにとっては“理想的な飲み物”と言っていいはずです」

スポーツドリンクの存在自体にはなんら問題はないが、本来飲む必要のない人が、間違った飲み方をしているのが問題だと大坂さんは言う。

「スポーツの際に必要な飲料とはいっても、軽い運動を短時間おこなって、ちょっと汗をかいたからスポーツドリンクを飲むというのは間違っています。5キロ程度の距離を30分ほどかけて毎日ジョギングしている人はそれほどエネルギーを消費しないので、スポーツドリンクを飲む必要はありません。1時間以上ぶっ通しでランニングを行うなど、激しい運動を長時間おこなった場合に限り、スポーツドリンクが必要となるのです」

スポドリで「熱中症」は予防できない!

「熱中症対策のためにスポーツドリンクを飲みましょう」といった飲料メーカーのCMを見たことがある人もいると思うが、こうした宣伝もスポーツドリンクの間違った飲み方を助長する要因になっていると大阪さんは指摘する。