テレビ宮崎の夕方ニュース「#Link」でお天気コーナーを担当している気象予報士・古山圭子さんが天気の豆知識を解説するコーナー。今回は、「冬将軍の本気度」をテーマにお伝えします。

ポカポカ陽気から一転、冬の足音

11月最後の週末は、宮崎県内各地でポカポカ陽気となり、お出かけを楽しまれた方も多かったのではないでしょうか。

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古山予報士も、見頃を迎えた宮崎市高岡町の「去川の大イチョウ」を訪れました。「本当に黄金色だったんです」と話すように、樹齢800年ともいわれる大イチョウは、まばゆいばかりの輝きを放っていたそうです。

しかし、この穏やかな陽気は長くは続きません。12月1日の週は天候が大きく変化し、厳しい寒さがやってくる見込みです。

今週のポイント「冬将軍が本気出す」

1日の午後、県内では所々で雨が降りましたが、これは冬の序章にすぎません。古山予報士がこの日のポイントとして挙げたのが、こちらの言葉です。

「冬将軍が本気出す」

古山予報士:
先々週はまだリハーサル程度だったんですけれども、今週は、本当に真冬以上の強い寒気が入ってきそうなんです。

「冬将軍」とは、シベリア大陸で発達する非常に冷たい空気の塊(シベリア高気圧)を擬人化した言葉です。この冬将軍が日本列島に南下してくると、厳しい寒さや大雪をもたらします。

「真冬以上」の寒さとは?

今回の寒気はどれほどの強さなのでしょうか。

上空1500m付近の寒気の予想図を見てみると、2日(火)の時点ではまだ11月並みの暖かな空気に覆われていますが、3日(水)から4日(木)にかけて、青色で示された非常に強い寒気が九州南部まで流れ込んでくるのがわかります。特に、水色の線(-6℃)は「平地で雪を降らせる目安」とされる寒気です。

この影響で、気温は急降下します。宮崎市の気温変化をグラフで見てみると、その変化の大きさが一目瞭然です。

2日(火)までは日中のポカポカ陽気が続きますが、3日(水)には15℃、4日(木)には14℃までしか上がらず、12月並みの寒さとなります。

特に注目すべきは、4日(木)の朝の最低気温です。予想は「1℃」。グラフには「真冬並」と書かれていますが、古山予報士はさらに詳しく解説します。

古山予報士:
これ、1年で最も寒い時期の平年値よりもさらに低い気温なんですよね。だから『真冬以上』という表現になります。

つまり、暦の上ではまだ冬の入口ですが、体感としては1年で最も寒い時期を超えるほどの冷え込みになる、ということです。

山間部ではさらに厳しい寒さが予想されており、高千穂町では4日(木)の朝は氷点下2℃、そのほか五ヶ瀬町、西米良村、美郷町では氷点下4℃まで下がるとのこと。

古山予報士は「ダウンにマフラー、手袋、ストーブに湯たんぽ、毛布など、思いつく限りの寒さ対策をお願いします」と強く呼びかけていました。

穏やかな秋から、一気に真冬へ。季節が大きく動く一週間となりそうです。気温の急激な変化は体にこたえます。天気予報をこまめに確認し、万全の準備で厳しい寒さに備えましょう。

(テレビ宮崎)

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