議員の象徴である「議員バッジ」。1つあたりの価格はいくらだと思いますか?
2023年に大分県議会議員選挙で当選した議員に交付された18金製バッジは、1つあたり当時の価格で「2万1395円」。これらは税金で賄われている。実は金の価格が高騰していることから素材が変更されることになった。詳しく取材した。

議員の象徴「議員バッジ」素材変更を決断

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2025年11月に開会した大分県議会。議員の胸に輝いているのが議員バッジだ。なぜ今回、変えることになったのか。議長に話を聞いた。

ーー自民党・嶋幸一議長(12月2日)
「昨今の金価格の高騰もあって、私も問題意識を持っていて議会事務局に情報収集を指示した。議会改革の一つとして経費削減につながるので必要だと思ったところ。18金製であろうが、金色のバッジであろうが議員としての役割をしっかり果たしていきたい」

議論の背景には、金の価格高騰があった。

金の1グラムあたりの価格 約3年前に比べ3倍近くに高騰

田中貴金属工業によると、金の1グラムあたりの価格は値上がりが続いていて、2023年1月の最高値は8977円だったが、2025年12月の最高値は2万3323円と3倍近い価格まで上がっている。

県議会事務局によると、このバッジは規則で「18金製」と素材が指定されている。さらに大きさも直径18ミリ厚さ4.4ミリと決められているという。

議員バッジの素材を「18金製」から「金メッキ」に変更決まる

金の価格高騰を受けて11月、各会派の代表者会議で同意を得て、18金製から表面を金で薄く加工する金メッキに変更されることになった。

これについて、県民クラブの原田孝司議員は「これは大歓迎。たくさんのお金がかかっていたということだったから、金メッキでいいんではないかという議論があったし、県民クラブ全員、大賛成の話」と話した。

また、共産党の堤栄三議員は「県民の皆さん見ている。県議会としても無駄な所は削減をするというところは見ていると思うから、どんどん推進すべきだ」と述べている。

こうした動きを大分県知事も歓迎

佐藤知事
佐藤知事

12月2日の定例会見で、佐藤知事は「アイデンティティを示すものなので別に高いものではなくてもよいと思うので、皆さんで話し合って変えようとなったなら結構なことだ」と述べている。

この議員バッジの問題は以前、TOS(テレビ大分)のニュースで報じたことがある。

2023年に大分県内の議員バッジを調査したところ、市町村議会では(素材は主に銀や真ちゅう)1つあたりほとんどが3000円台から5000円台で、2万円以上したのは18金製の県議会だけだった。

次の選挙までに新たに議員バッジの作成が必要

また県議会では、選挙ごとにバッジを貸すのではなく、交付している。このため、金は高騰しているが次の選挙までに新たに作らなければいけない。

そのため、事務局が2025年秋に複数の業者に見積もりをとったところ、平均でも1つあたり「9万円台」だったそうだ。素材を変えずに現在の議員の人数分をつくると2023年よりも約300万円余計に税金がかかってしまうところだ。

事務局では、金メッキ製の場合、1個1万円前後を見込んでいるのでかなりの経費削減につながりそうだ。

また規則の文言も18金製から金色製とすることで、以前のものも新しくつくるものもいずれも使えるようになるそうだ。

他県でも議員バッジの素材変更相次ぐ

同様の事例は他県でも相次いでいて、福岡や熊本の県議会でも同じように金の価格高騰を考慮して金から金メッキ製に切り替えることが決まっている。

大分県議会
大分県議会

我々の代表者として、県の予算をチェックする議員の皆さんには、こうした無駄をなくす改革を今後も積極的に進めてもらいたい。
(テレビ大分)

テレビ大分
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