鳥獣被害と言えば、今年はクマを想像する人が多いと思いますが、新潟県内ではイノシシの市街地への出没も相次いでいます。イノシシによる被害を防ぐため、長岡市で12月3日、行政と専門家、そして住民が研修会を開きました。

■人身被害だけでなく…イノシシによる農作物への被害深刻化

今年2月、上越市三和区で発生したのはイノシシによる人身被害。このときは男女3人がイノシシに襲われケガをしています。

さらに11月29日には、新潟市内で3人が襲われたほか、車との衝突事故も相次ぎました。

こうした人身被害だけでなく、イノシシによる農作物への被害も深刻化しています。

こうした中、長岡市の両高集落で行われたのが鳥獣被害対策についての研修会です。

【長岡市鳥獣対策課 五十嵐建 主査】
「私たちがどういうバックアップをしていくか、そして、どういうことができるかを確認する意味でこの研修会を開催する」

ここ5年ほどでイノシシによる農作物被害などが増加傾向にあるという両高集落。獣害対策の会を結成し、猟師6人で駆除などを担っていますが…

【両高集落 山口敏彦 区長】
「頭数では最高で見たのが30頭。まとまって出たというのが1例ある」

【両高集落 遠藤喜仁 副区長】
「(イノシシに荒らされて)稲が生育できなくなってしまった。そこには7月くらいから雑草が生えてしまっている状態」

【両高集落 山口孝平さん】
「私のところは花ハスを作っていたが(イノシシが)あぜをひっくり返しちゃって水がたまらない。今年は花ハスをやめようと」

■専門家と考える鳥獣被害対策

こうした鳥獣被害の対策についての専門家を招き開かれた研修会では、まず被害の状況を地図に書き出していきました。

【ういるこ 山本麻希 代表】
「地図の上に1回情報を全部落とすと、行政・地元の方、我々専門家の共通言語になる」

こうした情報をもとに専門家から電気柵やワナの設置など対策についてのアドバイスが送られました。

【ういるこ 山本麻希 代表】
「例えば、最低限ここだけ、一番(イノシシが)出ている場所に(電気柵を)張ると、次の年には全部違う場所に行くので、結局ここも張るかとなる。だんだん奥から張っていって、最後家に(イノシシが)出てしまうというのが最悪。なので、張るんだったら計画的に一気に張ったほうがいい」

【両高集落 山口敏彦 区長】
「集落としては箱ワナを買うとか、そういった予算面は持っていない」

研修会では、行政から受けられる支援についても説明。

【長岡市鳥獣対策課 酒井億 課長】
「地域の皆さんと一緒になって進めていく。そういう取り組みを各地域に広げていく」

【ういるこ 山本麻希 代表】
「色んな方法を変えながら、戦略的にどう捕っていくかを話し合えるといい」

住民にとっては鳥獣被害対策について深く考えるきっかけとなったようです。

【両高集落 山口敏彦 区長】
「行政も農家組合も一緒になってバックアップして、私たちも頑張りますと」

イノシシやクマの出没が相次ぐ今…その対策の重要性は年々増してきています。

NST新潟総合テレビ
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