コメ価格が高止まりする中、高森町は12月1日から町独自の『お米券』の配布を始めた。政府による物価高対策で『お米券』の活用が想定されているが、年末年始に間に合わせようと町独自での配布に踏み切った形だ。

高森町で始まった『お米券』の配布

高森町役場では、12月1日の午前8時半に開庁したばかりだが、紙のお米券を求めて町民が訪れていた。高森町で1日から配布が始まったのは町独自の『お米券』だ。

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希望する全ての町民に2026年3月まで毎月1500円分が配布され、国産米に限り5キロごとに1枚利用できる。町の公式LINEから申請し、電子クーポンによる配布が基本だが、スマホの操作が難しい高齢者などのために紙のお米券の配布も行われている。

高森町民は「ありがたい、本当に。年金生活だし、一番必要なのはコメ」や「さっそくお米に換えて食べる。師走で家族も帰ってくるから」と話す。

高森町の草村大成町長は「マーケットが適正価格に自然に落ち着くまでは、使い方を限定するお米券は今なら効果があると思って、以前から準備していた」と話す。

事業費2800万円で経費率3%程度に抑える

さっそくお米券を使った人は「もち米です。もち米高いから。正月のもち用に使う」と話し、高森町の『お米券』は町内の指定された商店やスーパーで使用でき、町内の経済循環も期待されている。

大塚商店代表社員の大塚史崇さんは「(入荷数が不安定なため)数に限りはあるが、購入希望の人に販売したい。高いと売れないのが現状。経済効果があれば、それが一番」と話す。

お米券の配布は県内の自治体では初めてで、8割の町民の利用を見込み、事業費は2800万円だ。政府が想定する農業団体などのお米券は経費率が10%以上と高いことなど批判もあるが、高森町では独自でお米券を作り、事業費2800万円のうち経費は約100万円と、経費率を3%程度に抑えているという。

(テレビ熊本)

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