大切なのは、どれかひとつに偏らないこと。「何でも受け入れる人」は、主張のないイエスマンに見えてしまいますし、「何でも受け止めようとする人」は、無理をしてストレスを抱えることもあります。
人間関係の中で、相手の言動に対してどう反応するかを、その都度、自分の気持ちに正直になって選ぶことが大切です。無理して受け入れる必要もなければ、共感できないものを受け止める必要もありません。受け流すことで十分なときもあるのです。
「否定しない」ことも大きなポイントです。相手の意見を真っ向から否定すると、関係は一気に険悪になります。「違う」と感じても、「そうなんですね」と受け止める姿勢が、相手に安心感を与えるのです。
意見が食い違うときには、「そうなんだ」「そういう考え方もあるよね」と一度受け止めて、それ以上深く入り込まないようにします。
そのほうが、時間を無駄にせず、自分のエネルギーも保てます。
井上裕之
いのうえ歯科医院理事長、歯学博士、経営学博士。著書は90冊を超え、累計140万部を突破。実話から生まれたデビュー作『自分で奇跡を起こす方法』(フォレスト出版)はテレビ番組で紹介され、大きな反響を呼んだ。『本物の気づかい』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『人生の黄昏を黄金に変える「賢者のかけ算」』(サンマーク出版)、『人間関係が整うとすべてうまくいく』(KADOKAWA)など多数
