菊池郡菊陽町にある台湾の半導体製造大手・TSMCの第1工場では、使った水の多くをリサイクルすることで、取水量の削減に取り組んでいるという。工場を運営する子会社・JASMが半導体の量産開始後、初めて水処理施設を報道公開した。

第1工場では平均75%の水リサイクル率

11月12日に報道陣に公開された菊陽町にあるTSMC第1工場にある水処理施設。TSMCの子会社・JASMは2024年12月に第1工場で半導体の量産を開始していて、今回の報道公開は量産開始後、初めてとなる。

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半導体の製造には大量の水とエネルギーを使うことから、TSMCは環境への影響を最小化する『グリーンマニュファクチャリング』に取り組んでいるという。

菊陽町の第1工場では、1日当たり最大3万トンの水を使うが、使った水は全て廃棄せず、リサイクルシステムで処理。平均約75パーセントのリサイクル率で、第1工場では新たにくみ上げる地下水の量は、1日当たり最大7500トンと、取水量の削減に取り組んでいる。

JASMは「くみ上げた地下水1滴を平均4回、繰り返し利用している」と強調する。また、JASMは田んぼを使った涵養などに取り組んでいて、2024年1年間では取水量の100パーセントを超える、500万トンの地下水涵養を行ったという。

排水は36種類に分類 PFASも極微量に低減

また、排水についても、36種類に分類し、24時間態勢で数値を細かく管理している。

水処理施設を案内してくれたJASM・水処理課の可村雄生太さんは「万が一、放流基準を超える水が来た場合は、自動弁が閉じて、別の自動弁が開き、処理の前段に戻る」と説明する。

国の基準の半分以下で下水処理場に放流していて、社内の基準を超える排水が流れてきた場合は、自動で感知して、再処理を行う。

また、関心が高まる有機フッ素化合物・PFASについても活性炭で吸着させ、「排出量を極微量まで低減している」と強調する。

JASM・ファシリティーデパートメントマネージャーの坂本龍治さんは「半導体製造に伴う環境負荷、また環境保全への取り組みについて関心が高まっていると考えている」と話し、「PFASへの取り組みは、できる限り最低に持っていく活動を今後も継続していく」と述べた。

(テレビ熊本)

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