台湾の半導体製造大手「TSMC」のトップが、6月6日、日本で検討中の第2工場の場所について公の場で初めて言及し、「熊本を優先的に考えることになる」と述べた。
第2工場の具体的な場所や規模については明らかにしていないが、製造する半導体は菊陽町に建設中の第1工場と同じ、カメラに使われるイメージセンサー用などがメインになる見込み。

来年には半導体出荷開始計画 第2工場検討も

岡崎宣彰記者:
こちらは菊陽町にあるTSMCの建設中の工場です。TSMCはこの工場に次ぐ第2工場について、「熊本を優先的に検討する」とコメントしました

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台湾の半導体製造大手TSMCは、菊陽町に国内初の工場を建設中で、2024年12月には半導体の出荷を始める計画。

TSMCは2023年1月、「日本で第2工場の建設を検討している」と発表していて、候補地にどこが選ばれるのか注目されていた。

TSMCのマーク・リュウ会長
TSMCのマーク・リュウ会長

TSMCのマーク・リュウ会長は、6月6日に開かれた株主総会後の記者会見で、検討中の第2工場について「決まれば熊本を優先的に考えることになる」と明らかにした。
TSMCのトップが、日本での第2工場について「熊本」と言及したのは今回が初めて。

「(第2工場)実現すればうれしい」

また、製造する半導体については「顧客の需要に基づいて、主にスペシャリティ・テクノロジーになる」と話した。

「スペシャリティ・テクノロジー」とは、スマートフォンやパソコンなどに使われる最先端の微細化技術を使った半導体ではなく、カメラのイメージセンサー用などの特製の半導体で、建設中の第1工場でも製造される。

第2工場の具体的な場所や規模については明らかにされなかったが、建設中の第1工場では、1兆円規模の設備投資に約1,700人の雇用を予定。

九州フィナンシャルグループの試算では、TSMCの第1工場建設による波及効果は、10年間で4兆3,000億円に上ると見込んでいます。

蒲島郁夫知事:
(第2工場が)本当になれば私の夢でもありましたので、実現すれば大変うれしい。少なくとも熊本の名前が出てきただけでも可能性は高くなったなと思いますし、それが実現すれば私にとって最高の喜びだと思う

半導体人材不足解消へ 専攻を創設

熊本大学(大学改革・評価担当)・富澤一仁理事:
熊本県にとっては大変うれしいこと。一方で、半導体人材が不足しているところで、(2棟目で)さらに不足するということなので、熊本大学としては貢献していかなければいけないと思う

2024年度から半導体の人材育成に向けて、「情報融合学環」と「工学部 半導体デバイス工学課程」(いずれも仮称)の2つを新設するなど、熊本大学は半導体の分野に力を入れている。

熊本大学・富澤一仁理事
熊本大学・富澤一仁理事

熊本大学(大学改革・評価担当)・富澤一仁理事:
昨年度末で熊大から90人くらいの半導体人材を輩出しているが、今後、倍の200人以上の人材を常に輩出できる態勢を整えていきたい

人員の確保だけでなく、TSMC側が求める専門性の高い人材を育成するために、今後、大学院にも新しく「半導体・情報専攻(仮称)」を創るとしている。

このほかにも、半導体を中心とした研究を企業などとも共同で行うことができる5階建ての研究棟も新たに建設し、「即戦力」となる人材を輩出していく計画だ。

また現在、1棟目の工場が建設中の菊陽町の吉本孝寿町長は、「2棟目の工場建設が菊陽町で実現すれば、大変うれしい話です。引き続き全力で支援していきます」とコメントしている。

熊本県工業連合会の田中稔彦会長は、「半導体関連工場の集積が図られることはいいこと。熊本の産業にとって大きなプラスになるし、九州全体や日本の産業振興にとっても重要」と話している。

(テレビ熊本)

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