熊本市東区にある熊本市動植物園では、2029年に迎える開園100周年に向け、整備が進んでいます。それに伴う工事などの影響で今後1年半ほどはゾウやキリンを見ることができなくなりました。人気者たちとしばしのお別れとなる最後の週末。姿を一目見ようと多くの人が足を運んでいました。

「ゾウさーん」「キリンさーん、おいしいですかー」

熊本市動植物園の人気者、アフリカゾウとマサイキリンです。2029年に開園100周年を迎える熊本市動植物園は本来の生息環境に近づけた展示で動物を楽しむことができる『サバンナエリア』の整備を進めています。

その整備に伴う工事が本格的に始まったため、ゾウやキリンを含むおよそ10種類の動物が今月5日からおよそ1年4カ月の間、観覧できなくなっています。

【園内アナウンス】「本日が観覧できる最終日となります。ぜひ今のうちに会いに行ってください」

観覧最後の日には、ゾウやキリンを一目見ようと訪れた多くの人でにぎわっていました。

【来園者】「ゾウとキリン(を見に来た)」「かわいい、鼻」
【来園者】「ゾウが最後だから〈記念に〉と思って。小さいころから見ていたゾウなので最後に一緒に見られて良かったなと思う」

キリンの絵を描く子も

【来園者】「しばらく会えないから描いとこうと思って」「模様にこだわって描いてみた」「会えなくなるのが、ちょっと寂しい」
【来園者】「なんか悲しいです」【ゾウの餌やり体験】「わー、ゾウさん近い」

【餌やり体験の様子】「冷たい!」「かまれたかと思った」また、今月1日から3日には動植物園が特別に『餌やり体験』を企画しました。募集枠66組に対して531組が応募するほどの大人気。およそ8倍の倍率から当選した家族連れがゾウの餌やりを体験していました。

【体験者】「楽しかったです」「(手が)べちょべちょ」
【体験者】「普段ゾウは触れないので、楽しかった」
【体験者】「かたかった」「楽しかった」
【体験者】「ヌルっとしていた。初めて(ゾウに)触った。ゴツゴツしていて良かったです」

【餌やり体験の様子】「わ!」一方、こちらは、ことし7月に生まれたばかりのマサイキリンの『心夏(ここなつ)』。1メートル70センチで生まれ、その後、すくすくと育ち、今では2メートル近くに成長しています。

【飼育員柴田勇己さん】「(心夏は)飼育員にも近づいてきます。コナツ(母)と一緒にご飯を食べることも多くなってきている。独り立ちしてきているかな」「(観覧できない期間で)1メートル近くは伸びると思うので、みなさんが見られるころには3メートル近くになるかな」

【来園者】「一昨日も来たけど〈最後だから〉と思って。かわいくて仕方がない」
【来園者】「葉っぱ食べてた」
【来園者】「赤ちゃんキリンが小さいうちに見られたから、よかったかなと思います。また次、大きくなるのが楽しみです」

【久保田優果記者】「心夏の姿が見られるのは1年以上先のはずでしたが、園の外からは元気な姿を眺めることができます」松本園長はゾウとキリンの姿を思い返し、こんな思い出を語ってくれました。

【松本充史園長】「地震の際は全面閉園していましたが、外から見られるのがゾウとキリンだったので、外から見に来てくれる客がずっといたのも思い出深いところかな」

【松本充史園長】「『外から見てください』っていうのも変な話なのですが、元気に暮らしている姿を見てもらえるように飼育員も健康を守りながらしっかりやっていきたいと考えています」100周年に向けて大きく生まれ変わる熊本市動植物園。再び園内でゾウやキリンに会えるのは2027年3月ごろの予定です。

テレビ熊本
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