いま旬を迎えている海の幸・ホタテやカキに異変が起きています。これからシーズン本番となる浜名湖産のカキの状況は―。

醤油とバターの香りが食欲をそそる焼きホタテや濃厚な甘みが特徴のホタテの刺身。

全国トップクラスの養殖のホタテ産地青森県の陸奥湾では壊滅的なダメージを受けていました。

後潟漁業協同組合・工藤琢磨さん:
ほぼ死滅してしまっていて全滅している人もかなりいますし、多い人で1割2割くらいしかいって(育って)いない人ばかり

青森県のホタテの漁獲量は2020年の8万トン以上から2024年は約3万トンに減少。

その原因は「高い海水温」です。

陸奥湾では夏場に水温が上昇。26℃以上の高い水温が1カ月ほど続いたことで稚貝が耐えきれずほぼ全滅したといいます。

しかし漁協の工藤さんによると「順調に成長すれば味に変わりはなく例年通りおいしく食べられる」ということです。

ホタテと同様不作にあえぐ冬の味覚が「カキ」です。

国内生産量の6割を占める広島県産のカキは…。

森尾水産・森尾龍也 代表:
生きているカキが3つ4つくらい。全部口を開けている。死んでいなかったら大豊作だが…。

今シーズンは全体の9割ほどが死滅したという生産者もいるほど状況は深刻です。

音戸海産・栗原富士雄さん:
生きた心地がしません。残念です

原因について広島県の水産海洋技術センターは夏以降に続いた高い海水温などによりカキが弱ったのではないかとの見方を示しています。

落合健悟 記者:
浜名湖産のカキもいよいよシーズン入りということでこちらではカキの殻むきを進めています

これから本格的なシーズンを迎える浜名湖のカキ。

浜名湖でカキの養殖が始まったのは明治20年ころといわれ実はウナギよりも長い歴史があります。

火を入れても縮みにくいことや肉厚な実と濃厚な味わいが特徴です。

浜名湖でカキの養殖をする業者の組合のひとつ舞阪町養かき組合の八木田昇一組合長。大きさなどを確認するため試験的に水揚げをしていました。

舞阪町養かき組合・八木田昇一 組合長:
(Q.現状のサイズは?)まだ小ぶりですね、全体的に

2025年に限らずここ数年は生育スピードや大きさがいまひとつだといいます。

舞阪町養かき組合・八木田昇一 組合長:
5年前や10年前だともうひと回り大きいですが、近年は水温が高いせいか小ぶりなところからの収穫が多い

試験的な水揚げでは小ぶりなものが多く他の産地での不作もあり今後への不安もあります。

一方で浜名湖のシーズン本番はこれからでこの先への期待も感じられたといいます。

舞阪町養かき組合・八木田昇一 組合長:
元々のサイズから1.5cmくらい。日に日に大きく伸びていて、こういったカキが非常に多くみられる。今後もっと大きなサイズでより身入りがよくなって濃厚な味わいのおいしいカキになることに期待して今後も収穫を続けていく

八木田さんは11月20日から本格的な水揚げと販売を始めています。

テレビ静岡
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