まもなく発生から48時間となる大分・佐賀関の大規模火災。
20日、「イット!」は船に同乗させてもらい、海から見た現場の新たな被害状況を取材しました。
火事は18日午後5時40分ごろ、佐賀関の住宅地で発生しました。
住民が避難中に撮影した火災発生直後の映像を見ると、至る所で炎と煙が上がっているのが分かります。
この動画を撮影した男性は当時、爆発音を耳にしていました。
撮影した住民:
何回か爆発したんですよ。すごくびっくりしました。(Q.何が爆発した?)ボンベだと思いますけど、バーンと破裂音が何回かした。
火災発生当時、北西からの風が強く、最大瞬間風速10.9メートルを観測していた大分市。
これまでに建物170棟以上が燃え、焼失範囲は東京ドーム1個分余りとなる4.9haに及んでいます。
「イット!」は20日、地元漁師の協力を得て海の上から被害の様子を取材しました。
佐賀関の山の裏側を見ると、焼け焦げた跡があり、電気の復旧作業が行われていました。
別の場所から見ると、これまであまり見えてこなかった町の住宅街の中心部も焼け落ちた跡が見えました。
屋根は残されていますが真っ黒で、壁などはなくなっています。
骨組みが残されて、屋根の一部が残っているだけでした。
今回の火災でこれまでに1人の死亡が確認されていて、20日朝7時の時点で70世帯108人が避難しています。
避難所では、床にマットを敷いて過ごしている人が多い中、パーティションと段ボールベッドが運び込まれていました。
また、具合が悪くなった人を対象に薬剤師が問診を行っていました。
避難している人からは、「もう食べるのが精いっぱいで、本当にテレビがないから情報が入らない」「(Q.家に帰れない生活が続いている?)帰るとこない。全部焼けてしまった。(家の様子は)まだ見られない」と今後の生活への不安の声も聞かれました。
現在も立ち入りが規制されている範囲内にある自宅に、一度戻る必要性を訴える住民も。
住民は、警察官と一緒に自宅に向かいました。
火災による影響は、規制範囲外の住宅にも及んでいました。
理髪店を営む男性によると、火災を免れた一帯でも停電などの影響を受けていると話します。
停電は20日午後4時の時点で、約270戸に及んでいるということです。
20日、大分県の佐藤樹一郎知事は被害状況を確認した後、避難所を視察。
その後、取材に応じ、現在の消火活動などについて説明しました。
大分県・佐藤樹一郎知事:
完全に消さないと風が吹いたときにまた(火が)復活しますから、そういうことがないよう、完全に消火が終わるというのがまず大事。(避難住民への対応は)あらゆるニーズにお伺いをして、あらゆる手段を使い、最大限の支援をしていきたい。
発生から3日目を迎えた大分市の大規模火災。
住宅部分はほぼ消し止められ鎮圧状態となりましたが、完全な鎮火には至っていません。
地元の消防団員が撮影した現場の写真を見ると、かろうじて残った建物の骨組みや全てが焼け落ちてしまった現場の状況が分かります。
20日も佐賀関市民センターで避難を続ける住民は、不安な一夜を過ごしていました。
地元漁師の協力を得て、火元の佐賀関から約1.4km離れた蔦島周辺へ向かうと、飛び火の現状も見えてきました。
さらに、佐賀関の火災現場では新たな被害状況も明らかになりました。
火災発生からまもなく48時間。
完全な鎮火と原因の解明が待たれます。