3年前、演説中の安倍元首相を手製の銃で銃撃し、殺害した罪などに問われている山上徹也被告(45)。
10回目となる20日の裁判員裁判で、初めて証言台に立ちました。
被告人質問の冒頭、弁護側から年齢を聞かれ「45歳です」とはっきり答えた山上被告。
「45歳まで生きると思ったか?」と聞かれると、数秒間黙ったあと「(自分は)生きているべきではなかったと思います」と話し、理由を問われると「このような結果になってしまい、大変ご迷惑をおかけしました」と謝罪の言葉を口にした山上被告。
母親がのめり込んだ旧統一教会についても自身の言葉で語りました。
多くの警察官が配備され、物々しい雰囲気に包まれた裁判所前。
一方、近くの奈良公園では、33の一般傍聴席を求め、318人の傍聴希望者が訪れました。
午後1時過ぎから始まった20日の裁判。
山上被告は、黒いスウェットにベージュのズボン姿で入廷。
長い髪を後ろで1つに束ねていました。
宗教学者への証人尋問に続き、午後4時前から注目の被告人質問が始まりました。
弁護側:
小学生の時、どんな子でしたか?
山上徹也被告:
おとなしい方だったと思います。
弁護側:
中学2年のころお母さんが入信してどう思ったか?
山上徹也被告:
テレビのワイドショーで統一教会について報道されていた。(母に)テレビのワイドショーを信じるのかと言われた。
母親が祖父の不動産を無断で売りに出そうとして献金していると知ったという山上被告。
祖父は「母親を殺害してこれでやめろ」と刃物を持ち出すこともあったと話しました。
弁護側:
祖父はどう言っていましたか?
山上徹也被告:
「いずれ財産を持っていってしまうぞ」と。
これまでの裁判では、山上被告の母親や妹の証人尋問が行われ、旧統一教会にのめり込んだ母親が約1億円に上る献金をしたため、家庭が崩壊に追い込まれた経緯などが明らかにされています。
20日の被告人質問で山上被告は、母親が証人尋問で出廷したことについて「非常につらい立場に立たせてしまった。母の信仰を理由に事件を起こしたから、母も感じるところがあると思う。(母は)基本的には悪い人間ではない。あれほど多額の献金さえなければそれでよかった」と話しました。
20日の被告人質問は午後5時過ぎに終わり、次回も引き続き行われます。