熱したオーブンで焼き上げられていたのは、サクサクの生地にジューシーなリンゴがギュッと詰まったアップルパイ。
東京・文京区にある「Apple Pockets 千駄木店」では、青森県が誇る代表的なリンゴのふじなどをたっぷり使ったアップルパイが大人気です。
職場が近く、よく買いに来るという女性は「一番リンゴのおいしい時期だし、いろんな産地からこちらのお店は仕入れているので“鉄板のリンゴ”の他の味も楽しめるので良い」と話しました。
しかしそんな冬のスイーツの代表に今、ピンチが訪れていました。
Apple Pockets 千駄木店・遠藤さん:
(Q.仕入れ値は?)2020年にスタート(開店)したが、3倍。夏の異常気象とか突然ひょうが降るとかで、リンゴの実がダメになっちゃったりとかすると(収穫量が)減っちゃうことがあり、値段もここまで高くなってくるのは初めてだと思います。
異常気象などにより、生産量が減っているというリンゴ。
価格上昇にさらに追い打ちをかけていたのが、2025年度過去最悪となっているクマ被害です。
長野県の果樹園では、1週間で2トンものリンゴをクマに食べられ、被害額は約200万円に及んだといいます。
さらに青森県の農園では、リンゴの味を覚えたクマがマーキングのために鋭い爪で木を傷つける被害に。
マーキングされた木は再び被害に遭いやすいため伐採しなければならず、“アップルベア対策”として、2025年は30本を伐採。
収穫量が1.8トンも減ってしまったといいます。
そんな冬の味覚を揺るがす事態は、リンゴだけにとどまりません。
東京都内のスーパーでは、冬のスイーツの王様ともいえるイチゴの価格が上がっていました。
スーパーアキダイ・秋葉弘道社長:
輸送コストの問題。価格帯も大体全体的にみて、1割から2割くらい高い状態が続いている。
イチゴを購入した親子は「(いちご)ちょっと高いから、少し安くなる時期まで買うの控えようかなと思ったり、ケーキ高くてなかなか買うのちゅうちょしたりします」と話しました。
師走の足音が聞こえ始めてくる中、気がかりなのはイチゴがのったクリスマスケーキの値段です。
そんな中、山崎パンが発表したのは、イチゴがない真っ白なケーキ。
デコレーションを削減することで5号、2160円(税込み)とリーズナブルに。
さらに無印良品は、バウムクーヘンにデコレーションを楽しめるタイプも発売。
ローソンもシンプルケーキを3年連続で発売します。
ローソン 商品本部 デイリー・FF部の鈴江裕子さん:
ご自身の予算の中で買っていただき、ターゲットはやっぱり家族を想定しておりまして、お子さんと一緒にクリスマスパーティーの準備しながらも楽しめる。
食卓を彩る冬の味覚を襲う危機。
2025年は、懐事情に合わせてイチゴの量も選択する動きも出てきそうです。