食の雑誌「dancyu」の元編集長・植野広生さんが求め続ける、ずっと食べ続けたい“日本一ふつうで美味しい”レシピ。
植野さんが紹介するのは「オムリターノ」。
2021年5月の放送では洋食店「麻布笄軒(こうがいけん)」でポテトサラダを教えてもらった。今回は、広尾店を訪れ、ナポリタンに半熟卵をまとわせた名物を紹介。
国賓をもてなすサミットでも腕を振るった森山裕介オーナーと、洋食歴40年以上のベテラン徳永久伸シェフの出会いにも迫る。
洋食好きの心をくすぐる名洋食店
植野さんがやってきたのは、広尾駅から西麻布方面へ歩くこと5分の場所にある「笄軒」。2015年に開店し、今年で10年目を迎える。

店内はカジュアルな落ち着いた雰囲気で、ゆったりと食事が楽しめるテーブル席が8席ある。
オーナーは国賓を招いたサミットで、3度にわたり料理を任された森山裕介さん。そして、絶大な信頼を寄せるシェフの徳永久伸さんとともに店を切り盛り。

王道の洋食メニューをそろえ、洋食好きの心をくすぐるラインナップや好みでトッピングできる嬉しい仕組みも。

これからの季節はカキを使ったメニューが人気。「生がき」や「カキグラタン」もよく注文されるそう。
丁寧な下準備に絶妙な火入れ、これぞプロのなせる業など、どれも思わずうなってしまうほどの味わいが待っている。普通で美味しい洋食の手本のような味わい、多くの常連に愛される店だ。
2人の出会いは…ゴルフ!
2人の出会いは「ゴルフ」だったと振り返る。
徳永さんが以前勤めていた洋食店に森山さんが客として来店したのがきっかけ。その後ゴルフに一緒に行く仲になったそう。「なぜ徳永さんをこの店のシェフにしようと?」と質問する植野さんに、徳永さんは「人柄が良いし、顔も良いし、腕も良いし」と答えた。

そんな徳永さんは24歳で料理人の道へ進んだ、洋食歴40年以上の大ベテランだ。その緻密で繊細な味付けに、森山さんも惚れ込みスカウト。

以前学んだ、クリーミーな「ポテトサラダ」や「ドリームプレート」など、プレート類の組み合わせや盛り付けは徳永さんのアイデアだという。
また、「笄軒」を代表するデザートで手土産としても喜ばれる「バスクチーズケーキ」も徳永さんが考案したそう。

少しだけケーキづくりを見せてもらうと、クリームチーズにグラニュー糖を入れ、むらがないようにしっかりと混ぜ合わせる。パルミジャーノと薄力粉を入れてさらに混ぜていき、溶いた卵、生クリームを入れ、型に流し込み240度のオーブンで22分ほど焼き上げたら完成。
王道からオリジナルまで多種多様に洋食を追求する「笄軒」、これからもその進化が楽しみだ。

本日のお目当て、笄軒の「オムリターノ」。
「不思議な光景ですよね、卵の下に赤いパスタが出てくるって」と話し、一口食べた植野さんは「ケチャップの甘みと卵の甘みが合わさって深い味わいやコクになるって楽しい」と感動していた。
笄軒「オムリターノ」レシピを紹介する。
