十八銀行と親和銀行の合併から、10月で5年となりました。

10日、2025年度の中間決算を「増収減益」と発表した十八親和銀行。

この5年や今後の方向性をどう考えているか、山川頭取に聞きました。

Q合併から5年が経ちましたけれどもどういう風に受け止めていますかー

山川 信彦 頭取
「あっという間の5年でした。」「色々なことを合併のためにやってきたので、あっという間というのが正直なところ」

親和銀行出身で、当時は執行役員・営業推進部長の立場だった十八親和銀行の山川 信彦頭取です。

長崎市に本店を置く十八銀行と、佐世保市に本店を置く親和銀行…2つのライバル銀行の合併が表面化したのは2016年でした。

Qそれこそ20年前は十八銀行と親和銀行が合併すると言っても信じなかったと思いますがー

山川 信彦 頭取
「そうですね、まずありえない組み合わせだった」「合併前は10年近く合併してはならぬ、みたいなね。公正取引委員会もなかなか認可が下りずに、なんとかまあ地域のために力強い安心して取り引きできる、そして客を支援できる銀行にする思いで合併を決めた」

県内で急速に進む人口減少や、低金利の時代に生き残るためだとして、店舗や人員を整理して効率化を図り、経営を強化することが目的でした。

競争環境を保てないと公正取引委員会の審査が難航し、一時は無期限の延期とされた時期もありましたが、「債権譲渡」でシェアを引き下げ、当初の予定より2年半遅れの2020年10月に合併しました。

合併から5年、十八親和銀行は10日、売り上げ高にあたる「経常収益」が530億円で、前年同時期と比べて20億円増え、4期連続の増収とする中間決算を発表しました。

本業のもうけを示す「コア業務純益」は127億円で(前年比+21億円)金利の上昇を受け、貸出金の利息が増えたことなどが増収の主な要因です。

一方、中間純利益は取引先の業績を踏まえた信用コストが増えたことなどから、前の年から7億円減って89億円でした。

2期ぶりの減益となりましたが、年間の収益計画と比べると19億円増えています。

十八親和銀行 山川 信彦 頭取
「(信用コストについては)構造的な問題も出てきているので予断を許さないと思っている。(取引先を)しっかり支えるための体制強化が必要」

合併から5年、都道府県別の貸出金(61%)、預金残高の県内シェア(56%)は全国2位と順調な推移を見せています。

並行して「力を入れてきた」と胸を張るのが「地域課題の解決」です。

県内の若い起業家を支援する「スタートアップイベント」を開催したり、空き店舗を活用したコワーキングスペースや、難病の子供や家族を支援する宿泊施設も開設しました。

Qペンギンハウスの存在がとても印象的で、病気の治療をする子供、家族のフォローはなかなかできそうでできなかったことで、こんな使い方があるんだと思ったがー

山川 信彦 頭取
「空いた店舗という意味では、普通であれば土地であれば高く売るとか、高く借りてもらうとかそういう目線で取り組むが、どちらかというとこの店舗、空き地が地域にとって何か役に立てないかと」
「経済合理性よりも地域からのニーズや地域の成長のために、我々の元店舗がどう役に立つかを最初に考えるように取り組んできたので、そういった意味では統合効果と思っている」

一方、地域経済を専門とする長崎大学経済学部の山口純哉准教授は「特に中小企業に対して本業での貢献が見えにくい」と課題を指摘。

県内ではコロナ禍以降、倒産も相次いでいることから、「会社の成長や創業を強く支える姿に期待したい」とします。

十八親和銀行は、今後も「地域と共にある銀行」を目指すとして、「ゆたかさ共創銀行」をビジョンとして掲げています。

山川 信彦 頭取
「経済的な豊かさや物質的な豊かさもそうだが、心が豊かかどうか、これを含めた豊かさを追求するために、町の課題、県の課題を皆さんと一緒になって解決していくと」
「常にそういうことを考えながら一人一人ができるようになったらいい銀行になる、これからそれに向けて頑張りたい」

テレビ長崎
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