山がないのに「クマ出没」?住民震撼の一報
「まさか多賀城にクマが出るなんて…」
10月29日夜、宮城県多賀城市の住宅街で「クマのような影を見た。北の方に立ち去った」との通報が寄せられた。現場は鶴ケ谷1丁目、砂押川の河川敷。周辺には交通量の多い国道45号線や住宅街が広がっており、クマが潜む山林などはない。
市民の反応は当然こうだ。
「え~そうなんですか、やだねえ」
「怖いですね」
「山が無いのでクマが出るのはほぼ考えられない」
多賀城市では少なくとも過去10年間にクマの出没は確認されておらず、いわば“クマなし市”。その常識を覆す一報に、住民たちは衝撃を受けた。
2日後にも「目撃」…市が捜索も発見できず
さらに10月31日朝、再び「クマのような動物」の目撃情報が相次ぐ。市の職員らが周辺を捜索したが、痕跡すら見つからなかった。
そんな中、「ついに証拠映像が現れた」と注目を集めたのが11月4日。
午後7時半ごろ、同じく鶴ケ谷1丁目で「クマのような生き物が道路を横断した」との通報が入る。しかも今回、その姿は近くのマンションの防犯カメラにハッキリと映っていた。

防犯カメラに映った“黒い影”の正体は…
映像には、毛の黒い生き物がマンションの階段を勢いよく下り、そのまま道路に飛び出す様子が記録されていた。見た目も動きも「クマ」と言われても不思議ではない。
ところが、警察が解析した結果…
「正体は、クマではなく“大きいネコ”でした」
まさかの“ネコ騒動”であった。
「クマ騒動」から一転、真相は意外にもご近所の野良ネコだった可能性もあり、住民の間には安堵と失笑が広がった。

そして翌日、「木が揺れている」再び通報
しかし、騒動はこれで終わらない。
翌5日午前10時ごろ、今度は「茂みの方で木が動いている」と再びクマの目撃通報。警察と市が急行して現場を調査したが、動かしていたのは「風」だった。
つまり、風に揺れる木の枝をクマと見間違えた可能性が高いというのだ。

“都市型クマ騒動”が映し出す心理と現実
全国でクマの都市部出没が相次ぐ中での「クマなし市」多賀城で起きた一連の誤認騒動。警察は「今後、出没しないとは言い切れない」として、「クマと思われる動物を見たら、迷わず通報してほしい」引き続き注意を呼びかけている。
実際にはクマではなかったかもしれないが、人々の不安がどれほど敏感になっているかが浮き彫りになった出来事だった。
「影だった」「ネコだった」「風だった」…
でも、次は本物かもしれない。
