宮城の海に“異変”です。
南三陸町で地元の漁師が採取した巻き貝が、「サザエ」であることが確認されました。
これまで「千葉が北限」とされていたサザエ、宮城で見つかるのは初めてとみられ、現地で生態調査が行われました。
南三陸町で採取された「サザエ」です。
殻の大きさはおよそ10センチ。誕生から3~4年ほど経った個体とみられます。
サザエを採取した漁師
「イセエビ漁してたの。なんか変なの来たなと思っていつもツブ貝は放流してた。見たらポコポコと突起物があって、もしかしたらサザエかなと」
サザエは10月中旬、戸倉地区で見つかり、漁師が地元の研究機関に持ち込んだところ、本物の「サザエ」と判明しました。
南三陸町自然環境活用センター 阿部拓三研究員(水産科学博士)
「太平洋側は寒流の影響で宮城・岩手など三陸には分布していないとされる所で、こないだサザエが見つかったということでその分布調査」
今回の発見を受けて11日、サザエが採取された場所の周辺で調査が行われました。
水産庁の統計によりますと、宮城のサザエ漁獲量は「0」または非公表が続いています。
宮城県内でサザエが確認されたのは、記録上、初めてのこととなります。
南三陸町自然環境活用センター 阿部拓三研究員(水産科学博士)
Q(サザエは)ありました?
「いえ、サザエは見つからなかった…いそうなところは相当見たんですけどいなかった。相当2人で探したけど、見つからなかったので密度は相当薄いと思う」
Q漁師が持ち込んだ個体は珍しい?
「珍しいですよね。だけど何回か網にかかったとおっしゃってたので、いることはいる。潜って探すほど高い密度でいるわけじゃない。数が多いわけじゃない」
11日の調査で新たな個体は見つかりませんでしたが、研究員はこう話します。
南三陸町自然環境活用センター 阿部拓三研究員(水産科学博士)
Qサザエ自体の北限は北上している?
「太平洋側でいえば三陸は北限に近いと思う。なので太平洋側の三陸は一番北の記録になると思う。この辺にもまだいることはいると思うの、でもしとれた情報があればぜひ頂けたらうれしい」
南三陸町自然環境活用センターでは、今回の調査結果を論文にまとめ、学会で報告する予定です。