精神障害での労災申請・認定が、年々増加しており昨年度は過去最多となりました。
「上司とのトラブル」など「職場の対人関係」が要因となるケースが最も多くなっています。
過労死などの労災は過重労働で発症した脳や心臓の病気のほか、仕事のストレスによるうつ病などになった場合に請求することができます。
過労死・過労自殺の現状や国が進める防止対策をまとめた今年の「過労死等防止対策白書」が閣議決定されました。
白書によりますと昨年度、精神障害で労災申請されたのは3780件でそのうち認定されたのは1055件と、いずれも2010年度に比べおよそ3倍以上に増加し過去最多となりました。
請求に対する決定件数(不支給を含む)を要因別でみると「対人関係」がもっとも多く、具体的には、「上司とのトラブル」が6割以上を占めています。
この他にも、白書では精神障害事案の分析をしていて、業種別の労災申請では、「医療・福祉」が969件と最多で、「製造業」の537件なども多くなっています。
また、調査研究の重点対象とされている8業種の労災認定では、「医療」が「悲惨な事故や災害の体験、目撃」や「同僚等から暴行またはいじめ・嫌がらせ」の割合が特に高く、「教職員」では「上司とのトラブル」「パワハラ」の割合が高くなりました。
厚労省は「対人関係の悪化の請求が増えていて、ハラスメントやメンタルヘルス対策を引き続き事業所に周知していく」としています。