東京都心の17日朝の最低気温は16.7度。
肌寒さとともに恋しくなるのが鍋料理ですが、その具材となる物価の優等生「キノコ」に異変が起きています。

「イット!」が訪ねたのは、都内にあるキノコしゃぶしゃぶ専門店「Shangri-La's secret ROPPONGI」です。
スーパーなどにあまり出回らない珍しい国産キノコを多く取りそろえ、鍋料理などで提供しています。

旬のキノコ鍋に来店客が舌鼓を打つ一方、店が踏み切ったのはメニューの値上げです。

シャングリラズシークレット六本木・稲垣範之店長:
キノコの仕入れの金額も例年に比べて上がってきているので、コースのメニューにも少し影響が出てきて、大体500円~1500円までの振り幅で価格を上げさせていただいて、その分ちょっと内容も付加価値をつけてご提供するっていう対策をとってます。

仕入れ値が上がったことからメニューを値上げ。
しかし、同じ店を約半年前に取材した際には、キノコ類の価格は安定しているという話でした。

シャングリラズシークレット六本木・稲垣範之店長(2025年3月):
野菜に比べると大きく値上がりしていることはないので、落ち着いた価格帯といいますか、安定的な価格帯で取り扱いができています。

その安定していたはずのキノコが値上がりしているというのです。

シャングリラズシークレット六本木・稲垣範之店長:
基本的に他の野菜に比べたりすると、そんなに変動がないんですけれども、今年はちょっと変動が起きているので。

生産現場で今、何が起きているのでしょうか。

神奈川・横浜市のシイタケ栽培農園を訪れると、キノコ狩りを楽しむ親子の姿が。

とれたのは大きなシイタケ。
順調に育っているかと思いきや、そうではないようです。

まだ大きくなりきっていないシイタケ。
原因は、想定外だったという異例の猛暑だといいます。

永島農園・永島陽子さん:
例年ですと(栽培を)9月から始められたんですが、すごく9月も暑いので、今年は10月からのスタートに変更しました。毎日半袖を着ているような時期はちょっとシイタケには暑すぎます。1年の間の採れる時季がどんどん狭まってしまっているので。

猛暑の影響で栽培が遅れ、出荷量が減少。
そのため、価格にも影響が及んでいるのです。

さらに、物価高などの影響もあり、直売所での価格も上げざるを得なくなったといいます。

気になる今後のキノコの価格について都内のスーパーで聞いたところ、「人件費などの関係もあり年間を通じて上がっているものの、他の野菜に比べたら安定している」とのことでした。