福岡市の中心部・天神などの周辺で、駐車料金が8割以上安くなる取り組みが始まりました。

破格の値段となった理由を取材すると、市が抱える長年の課題が見えてきました。

祝日となった10月13日の福岡市・天神。

大勢の人で街がにぎわう中、近くのボートレース福岡の駐車場には続々と車が入っていきます。

このところ、ボートレース目的ではない利用が急激に増えています。

というのも…。

◆駐車場の警備員
「フリンジパーキングですか?」

聞きなじみのない「フリンジ」という言葉。

これは福岡市が10月に始めた「フリンジパーキング」の実証実験で、都心部の駐車場が破格の値段で利用できます。

条件を満たせば天神・博多エリアにある駐車場をお得に利用でき、例えばボートレース福岡の駐車場は12時間最大300円と通常より8割以上安くなります。

割引の条件となるのが、指定された「割引所」で駐車券を処理してもらうこと。

対象となっているのは6カ所の駐車場で、天神と博多それぞれに割引所が設けられています。

そして駐車券を処理すると駐車場に戻るためのバスや地下鉄の片道乗車券がもらえます。

なぜこのお得な実証実験が始まったのでしょうか。

◆福岡市 都心交通課 深田剛教 課長
「(都心部に)基本的には公共交通機関で来てほしいが、車で来る人もいるので、都心中心に来るよりはその外の周辺部に停めてもらう。都心中心部の交通混雑を緩和する取り組み」

福岡市の狙いは長年の課題となっている都心部の交通渋滞緩和です。

市によると去年の都心部への1日あたりの自動車流入台数は約7万8000台で、今後4年で3000台減らすことを目指しています。

さっそく利用した人は…。

◆利用客
「(都心部から)ちょっと離れるけど安い方が」

◆利用客
「天神はすごく駐車料金が高いのでそれを考えるとゆっくりできる」

◆福岡市 都心交通課 深田剛教 課長
「かなりインパクトのある値段なので知ってもらい利用促進につながれば」

この実証実験は来年3月末までの予定です。

テレビ西日本
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