子供たちの笑顔と健康を守る食のプロフェッショナルが繰り広げた熱い闘い、その舞台裏に密着しました。
Q.どちらからいらしたんですか?
◆参加者
「福津市(福岡県)から来ました」
◆参加者
「時間内に作り上げられるように頑張ります」
16日に福岡県筑紫野市で開かれたコンクール。
出場するのは、子供たちの成長を支える食のプロフェッショナル、学校給食の調理員たちです。
「調理を開始してください」とのアナウンスが流れると…。
◆記者リポート
「今、闘いの幕が開けました。静かな緊張感に包まれる中、調理員たちは落ち着いた様子で手を動かします」
半世紀以上の歴史がある学校給食料理コンクールの決勝戦には、厳しい予選を突破した県内の16の学校や給食センターが臨みます。
味や見た目はもちろん、調理の際の衛生管理など複数のポイントを栄養学の専門家や保護者などが審査し、「福岡ナンバーワン」の給食を選びます。
制限時間は40分で、1食300円程度、福岡県産の食材を35パーセント以上使用するのがルールです。
福津市の給食センターが献立のメインにしたのは鶏肉のオーブン焼き。
特産品のあんずのジャムに細かく刻んだ野菜を混ぜ合わせた特製ソースで香ばしく焼き上げました。
◆福津市第2学校給食共同調理場 調理員 永田江身子さん
「(あんずジャムは)『地元で採れるものを使いたい』というのと、なかなか家庭で使うことがないのでみんなに知ってもらいたくて考えた」
一方、小郡市の立石小学校は、トウモロコシとじゃこを混ぜた炊き込みご飯で勝負します。
◆小郡市立立石小学校 調理員 中村美雪さん
「ゴマ油でじゃこを一度炒めて臭みを取ってから一緒に炊き込んで、子供たちもにおいを気にすることなく食べられるようにしました」
そして、最優秀賞に選ばれたのは!
◆会場のアナウンス
「小郡市立立石小学校です」
豆やゴマ、ワカメなど健康的な食生活を送るために取り入れたい7つの食材「ま・ご・わ・や・さ・し・い」を全て取り入れるなど、栄養価の高さが評価されました。
◆小郡市立立石小学校 調理員 中村美雪さん
「びっくりですけどうれしいです。また、あすから頑張って子供たちのために給食を作っていきたい」
子供たちのために見た目も美しく栄養価の高い食事を提供する調理員たちの努力と工夫の日々は続きます。
この給食はいまちょっとしたブームになっています。
料理レシピサービス「クックパッド」の調査によりますと、ネット上での「給食レシピ」の検索数が去年の1.4倍に増えています。
給食は限られた予算で栄養を確保する献立ということで、物価高が続く中で給食の「コスパ栄養術」が人気の理由のようです。