週明けにも予定される首相指名選挙に向けて16日、日本維新の会が連立政権も見据えて自民党との政策協議に入りました。
自民と維新の急接近にはどんな事情があったのか、永田町取材には定評があるジャーナリストの鈴木哲夫さんが詳しく解説します。
川崎健太キャスター:
哲夫さんの取材による「自民・維新急接近の裏側」を時系列でまとめてみました。まずは一番上、「維新は水面下で自民と接触を繰り返す。18日(土)に「連立発表」を目指していた」とありますが…。
鈴木哲夫さん:
取材したのは自民のベテラン議員とそれから立憲の幹部ですね。それによると、維新は水面下で自民とも接触していたというんですね。これは、総裁選のときに小泉さんがもし総裁になればもうほぼ間違いないから話はしていた。高市さんになったけど、その後公明が抜けたでしょ。公明と維新は合わないですから、公明がいる限りは維新も行けないけど「公明が抜けたなら」ということで一気に進んだ。それでもう18日に連立発表の記者会見まで設定して水面下でやっていたと。この自民と維新をつないだのは、維新にいる元幹部です。
川崎キャスター:
で、それ今週になって一気に表に出てきたんですけど、「維新を警戒する自民ベテラン議員が“両者の急接近”をわざと漏らす」ということになったと…。
鈴木さん:
リークというか、やはり「維新とはやりたくない」という自民の議員がいるわけですよ。某ベテランが。それがこの情報を流したわけです。これ事前に流すと潰れますよね、コソコソ裏でやってることを表にしたら。ということで、これをわざと漏らしておととい(14日)夜~きのう(15日)くらいから一部マスコミが「維新と組むんじゃないか」という報道になっている。
川崎キャスター:
そして「維新が怒り、自民は謝罪、混沌の中で昨夜の『自維の党首会談』」と。そりゃ激怒しますよね。
鈴木さん:
維新は野党と組むというのも自民にこっそりと“二重作戦”でやっていたわけです。 だから「これで…」と言って怒っちゃった。だからきのう(15日)の党首会談では、僕はそこにいませんけども、おそらく自民から謝罪もあったでしょう。だけど方向としては、もう維新が組むという流れはできていたということですよね。
川崎キャスター:
こうした維新の動きに関しては 国民の玉木代表も「二枚舌だ」と不満をはっきり漏らしてましたけど、哲夫さんは今回の維新の振る舞い方はどうみますか。
鈴木さん:
正直言って国民民主も「どっちとも」と思ってやってたから、どっちもどっち的なところはあるんだけど、維新がなぜこれを選択したかというのは、維新は組織がいまボロボロなんですよね。支持率も非常に低い中で 立て直していくには、やっぱり政権側につくという選択を取ったんだろうと僕は思います。ただこの流れを見ていて、とにかく全て水面下ですよ。本来なら連立を組むというのはもっとオープンで「こことこの政策が合う」みたいなことを国民の前でやるべきなんだけれど、結局また水面下で権力闘争だなという。これから新しい政権ができても、どのように国民の目が注がれるかがポイントになってくると思いますね。
川崎キャスター:
そしてきょう(16日)、維新の吉村代表はもし連立入りした場合に、維新が党として「消滅するリスクはありうる」と発言しています、 維新はずっと「第二の自民党」という指摘もありましたが、今後のあり方はどうなるでしょう。
鈴木さん:
僕は、これはあると思います。 維新の国会議員たちに取材をしてるけれども、この可能性はある、つまり自民党になっていく可能性はあると思いますね。
(2025年10月16日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)