■「白っぽい毛のクマ」住宅街に現る

 札幌市中央区円山西町の住宅街で、白っぽい毛を持つクマが目撃された。写真に写るクマは、通常のヒグマよりも明るい色合いの毛が特徴的である。札幌市のクマ担当者によれば、「写真を見る限り、今年生まれの子グマのサイズ感であり、何らかの理由で1頭になってしまい、この辺りをうろついていたのではないか」との見立てである。

■食料源は住宅地の木の実…個体特定へDNA分析も

 現場周辺には、道内で「オンコ」と呼ばれるイチイの木の赤い実が多く実っており、クマはこれを食料源として住宅地に現れたとみられる。実際、クマが実を食べるために木を折って垂れ下げていた様子も確認されている。担当者は「この地域にはクルミや栗、イチイの木など食べ物が多く、クマが繰り返し現れる恐れもある」と警戒を呼びかけている。

 今回のクマについては、目撃情報や現場で採取された毛の特徴から、他の出没個体と一致する可能性も指摘されている。DNA分析によって、今後さらに詳しい個体の特定が進む見込みである。

 担当者は「今年生まれの子グマが単独で冬を越すのは基本的に難しい」としつつも、「日中でも出没する可能性があるため、十分な注意が必要」と強調する。

 住民からは「しばらく外に出られない」と不安の声が上がっており、町内会によるパトロールや啓発活動も続いている。

北海道文化放送
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