8月の大雨で秋田県仙北市西木町では桧木内川が氾濫し、上桧木内地区を中心に大きな被害が出ました。地区で毎年2月に行われる小正月行事『上桧木内の紙風船上げ』の会場となる広場にも、多くの土砂や流木が流れ込みました。一時は開催が危ぶまれたものの、保存委員会は2026年も実施することを決め、住民が会場の復旧作業を始めました。
10月12日朝、仙北市西木町上桧木内の紙風船広場に地域の人たちが集まりました。2026年の『紙風船上げ』の開催に向け、地域が力を合わせて泥に覆われたステージなどの復旧を目指します。
浸水被害からまもなく2カ月がたちますが、生活再建を優先的に進め、ようやく会場の広場の片付け作業が始まりました。
広場は約2メートルの高さまで水に漬かりました。ステージには流木が当時のまま残されているほか、地面がえぐれている場所も。集まった人たちは倉庫から機材などを取り出し、泥をかき出しました。
上桧木内の紙風船上げ保存委員会・阿部明雄会長:
「泥などが上がっていて、かなり捨てるものも多かった。一歩、少し前へ進んでいけるかと思う」
懸命に作業を進め、ステージはきれいになりましたが、周辺はいまだに大きな流木や流れ込んだ土砂が多く残っています。
上桧木内部落会・鈴木英二さん:
「まだまだ片付いていない場所がある。これからだ。グラウンドもまだまだ泥がつもっている」
仙北市は今後、電気やトイレの復旧と会場の整備を進めることにしています。
なお、2026年の紙風船上げでは、地区を訪れたボランティアが書いたメッセージとともに紙風船が打ち上げられる予定です。
上桧木内の紙風船上げ保存委員会・阿部明雄会長:
「全国各地のボランティアの力に本当に助けられた。喜んで『復興のために頑張ってください』とボランティアからメッセージを書いてもらった。その紙風船を上げるので頑張りたい」