私たちの周りにある、事故が繰り返されるいわゆる「魔の交差点」

札幌市中心部に潜む危険な場所を調べてみた。

札幌市中心部に潜む危険な交差点

事故が相次ぐ、いわゆる「魔の交差点」

北海道内で2024年、最も多い7件の人身事故が起きた場所。

それが札幌市中心部、テレビ塔にも近い大通東4丁目の交差点だ。

2024年北海道で最も多い7件の人身事故が起きた場所
2024年北海道で最も多い7件の人身事故が起きた場所
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現場に行ってみると。

「札幌市の中心部からほど近いこちらの交差点は片側3車線で車通りも多く、近くには小学校もあり通学路になっています」(川瀬雄也記者)

この交差点では札幌市中心部から来た車が右折する際に、横断歩道の歩行者をはねる事故が起きている。

「子どもも一緒に渡るから怖いですね」(保育園児の親)

「大きいトラックも多いから小さい子を一人で通わせるのは心配」(小学生の親)

片側3車線で車通りも多い
片側3車線で車通りも多い

現場は片側3車線、さらに対向車線との間に幅8メートルほどの大きな中央分離帯がある。

ドライバーにとっては交差点を曲がるまでに時間がかかる。

この際、対向車に気をとられていると、その先にある横断歩道への注意がおろそかになってしまう。

「右折するときに対向車の方にどうしても気持ちが向いてしまう。その先の歩行者がいるかもしれないというより慎重な運転が求められる」(交通事故鑑定人 渋沢敬造さん)

ドライバーは交差点を曲がるまでに時間がかかる
ドライバーは交差点を曲がるまでに時間がかかる

多くの事故が起きる魔の交差点。

同じく北海道内で最も多い7件の人身事故が起きた場所も札幌にある。

札幌市中央区南9条西11丁目の交差点だ。

札幌市中央区南9条西11丁目の交差点でも7件の事故
札幌市中央区南9条西11丁目の交差点でも7件の事故

南北に走る石山通と東西に交わるのが、中島公園と旭山記念公園をつなぐ道路。交通量の多い場所だ。

ここでは2024年1月、右折する車に歩行者がはねられる事故が起きている。

交通量が多い場所
交通量が多い場所

事故の原因とみられるのが変形した道。

石山通を走っている車は交差点の前後で一度ハンドルを切る必要がある。

「自分の進路が普通の交差点と違う。この辺でハンドルを切った方がいいかな?など
無意識的に考えてしまう。そうすると歩行者に対する注意が疎かになってしまう」(渋沢さん)

ドライバーは対向車だけでなく、歩行者への意識を強く持ってほしいと専門家は言う。

「運転手としては、対向車や交差点の形に気を取られてしまいがちですが、その先に歩行者がいるということを忘れないでほしいですね」(渋沢さん)

「変形した道」が事故の原因?
「変形した道」が事故の原因?

日が短くなる今の時期は「夜道での事故」に注意

そしてこれから注意したいのが、夜道での事故だ。

暗い道を走る車…突然目の前に人影が現れた。

どんどん日が短くなる今の時期、ドライバーは注意が必要だ。

夜道での事故に注意
夜道での事故に注意

特に小学生が被害にあう事故は秋になるとともに増え、11月が最も多くなっている。

日が落ちるのが早くなるうえ、低学年の子たちにとっては登下校に慣れてくる時期だからだ。

「小学校1、2年生の事故が多いのは、親の監督を離れて単独で行動するから。まだまだ交通安全の知識が乏しい」(渋沢さん)

特に小学生が被害にあう事故が増える
特に小学生が被害にあう事故が増える

歩行者は「反射材」で対策を

歩行者ができる対策は反射材だ。

先ほどの渋沢さんによると、反射材をつける場所にポイントが。

ドライバーにとって歩行者を意識しやすいのが足だという。

10メートルほど離れた場所からでも、このように見える。

対策は「反射材」
対策は「反射材」

札幌のホームセンターでは。

「この秋から徐々に危ないとお買い求めになるお客様は増えてきます。秋口は通常の150%ぐらいの売れ行きとなります」(ジョイフルエーケー屯田店 新酒英暁副店長)

秋の深まりとともに増える交通事故。

ドライバーだけでなく、歩行者も事故を防ぐための取り組みが必要だ。

ホームセンターでは秋に反射材が売れる
ホームセンターでは秋に反射材が売れる
北海道文化放送
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