この3連休、長野市街地ではクマの目撃が相次ぎ、善光寺周辺の防犯カメラにはクマが歩く様子も映っていた。専門家は「山に餌が足りず、市街地に来ているのでは」としている。
善光寺周辺の防犯カメラに…
狭い通りを歩く黒い動物。
10月11日午前2時過ぎ、長野市の善光寺周辺の防犯カメラが捉えたクマ。
現場は日中、観光客でにぎわう「仲見世通り」に近い宿坊などが並ぶ通りだ。

ほぼ同じ頃、市の職員も近くで体長1メートルほどのクマを目撃した。
住民は「ここに出たの?本当に怖い。このあたりに出たのは初めてじゃないか」と驚きを隠せない。
また、観光客は「言葉が出ない。こういう所にも出るんだ」と恐怖を感じていた。
小学校近くの道路でも目撃
さらに、11日夜には長野市西長野の加茂小学校南側の道路でも目撃情報があった。
住民は「夜1人で出歩くのは怖い。警察や市には情報を我々に早く伝えてほしい」と訴える。

長野市街地では10日夜から11日にかけ浅川、上松、三輪など少なくとも10ヵ所でクマの目撃情報があった。
市や警察は、引き続き警戒を呼びかけている。
なぜ、市街地に出没?
なぜ、クマは市街地に出没したのか。
長野県のクマ対策員の後藤光章さんは、「冬眠に備えて栄養を蓄える時期に山に餌が少ない状況が影響しているのでは」と指摘する。

長野県クマ対策員・後藤光章さん:
「(山で)あまりにも食べ物が見つからないので、ちょっと危険だけど市街地に行ってみるか、という感じで出てきたのではないか」
今回のクマの目撃は、夜遅くから未明にかけてに集中している。
長野県クマ対策員・後藤光章さん
「人間に会いたくないし、恐れているので人間に会わないような時間を選んで降りてきているので、そういう意味では警戒心があるクマだろう。地附山とか長野西校の裏の山とかに暮らしているクマなんだろうと。その付近に暮らしているクマは人間の活動・行動を敏感に感じている。夜中になると人間活動はおさまるとか、ちゃんと理解している」

今年は、クマのエサとなるブナのドングリが全県で不作となっていて、今後も人里への出没が続く恐れがあり、県などが注意を呼びかけている。